3Dプリンターでロボットアームの一体造形も/システムクリエイト
従来製品にない機能も
工作機械や3Dプリンター、製造業向けのソフトウエアを販売し、3Dプリンターを使った受託加工などもするシステムクリエイトは、新たにクリエイトボットとアニソプリントの2社の国内総代理店として両社の3Dプリンターの販売を始めた。
クリエイトボットは5機種を展開し、最大1×1×1mの加工対象物(ワーク)を造形できる。システムクリエイトがメーカーと共同開発した加工補助具(ジグ)を使うことで、軟らかいゴム系の材料でも造形できる。
アニソプリントは底面がA4サイズとA3サイズの2機種で、ワーク内部にカーボン繊維を織り込むことで強度を向上させることができる。カーボン複合成形は他社製品でも可能だが、アニソプリントは任意の配置と形状で織り込める。また、汎用のエンジニアリングプラスチックも造形に使えるため、造形コストを抑えられるのも特徴だ。
潜在ニーズを引き出す
川上正義社長は「いずれも従来の3Dプリンターの弱点をカバーし、今までにない使い方を実現する可能性を秘める」と力を込める。
例えば大型ワークを得意とするクリエイトボット製品は産業用ロボットのアームを一つのワークとして製作できる可能性がある。「既存の3Dプリンターでも、アームを複数のワークに分割して造形し組み立てる方法は検討されていた。一体型のワークなら強度を高めながら軽量化もできる」と川上社長は力を込める。
アニソプリントは、ワークへの負荷を解析し最適なカーボン繊維の配置を指定でき、軽量化にもつながる。専用のソフトウエアは、提携する英国のアディティブフローが年内のリリースを目指して開発を進めている。ロボットハンドもアーム同様、できるだけ強度が高く軽量に作る必要があるため、システムインテグレーターやロボットユーザーなどで潜在的な需要を見込む。