2022.12.13 ヨドバシカメラの倉庫ピッキングにSkypodが採用/EXOTEC NIHON Tweet フランスの物流ロボットベンチャー企業の日本法人、EXOTEC NIHON(エグゾテック・ニホン、東京都港区、立脇竜社長)は12月6日、大手家電量販店のヨドバシカメラとパートナーシップ契約を締結したと発表した。ヨドバシカメラの複数の倉庫のピッキング作業を、エグゾテックの「Skypod(スカイポッド)システム」が担う。「このパートナーシップによって、われわれは日本を足掛かりの一つとしてグローバル展開をさらに加速させる」とフランス・エグゾテック本社のロマン・ムラン最高経営責任者(CEO)は言う。 複数拠点に導入、ネット注文品も 商品の保管や出荷を担うスカイポッドシステム エグゾテックのスカイポッドシステムは、入庫した商材を保管する「ラック」、商材の出庫作業をする「ピッキング(荷ぞろえ)ステーション」、ラックに保管されている商材を注文に応じて人のいるステーションまで運ぶ「スカイポッドロボット」の3つで構成される。 床面の走行だけでなくラックの昇降も可能 スカイポッドロボットは自律走行式搬送ロボット(AMR)のような外見だが、床面を走行するだけでなく、ラックの昇降や商材の入った箱の取り出しもできる。人が棚に物を取りに行くのではなく、ステーションで待っていればロボットが自動で物を届けてくれる「グッズ・トゥ・パーソン(G to P)」タイプの自動ピッキングシステムだ。 「注文処理に対する応答スピードが重要」と話すヨドバシカメラの藤沢和則社長 このスカイポッドシステムを、ヨドバシカメラが採用した。導入台数や規模などは非公開だが、複数の倉庫施設に設置する計画だ。実店舗向けだけでなく、オンライン販売サイトでの注文品の出荷作業も担う。 「注文処理に対する応答スピードや、市場ニーズの変化に対して容易に拡張可能な柔軟性が、われわれが求める倉庫の自動化と効率化に対する最適解であると判断した」とヨドバシカメラの藤沢和則社長は言う。 「2025年に倉庫ロボティクス業界でトップを目指す」とエグゾテック本社のロマン・ムランCEO フランスのエグゾテック本社のロマン・ムランCEOは「このパートナーシップによって、われわれは日本を足掛かりの一つとしてグローバル展開をさらに加速させ、2025年に倉庫ロボティクス業界でトップに立つ。この目標にまた一歩近づいた」と述べた。 25年に国内トップ5を目指す 「25年に年間売り上げ300億円が目標」と話す立脇竜社長 ヨドバシカメラとの契約締結の発表と合わせ、立脇竜社長が今後の国内戦略も発表した。 「現在は顧客サポート体制の強化に力を入れており、70人程度の日本法人の人員を23年末までに100人規模に増強する。25年には日本での年間売り上げ300億円、日本の物流・マテリアルハンドリング市場でトップ5入りを目指す」と語った。 この目標を実現するため、積極的な営業活動を展開するとともに、来年には東京近郊にショールームも開設する計画だ。 (ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也) 関連記事:[注目製品PickUp!vol.47]物流のフレキシブルで高度な自動化 /EXOTEC「Skypodシステム」 関連記事:[進化する物流vol.4]最先端が一堂に、国際物流総合展リポート【その1】