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2023.11.02

自社展でロボット披露、金融・流通事業者などの注目集める/ローレルバンクマシン

ローレルバンクマシン(東京都港区、池辺正社長)は10月25日~27日の3日間、都内の時事通信ホールでプライベートショー「ローレルバンクマシン製品展示会2023」を開催した。同社は紙幣や硬貨をカウントして保管する通貨処理機の大手メーカーだ。プライベートショーでは金融機関向け入出金機や、小売店向けのセルフレジ用システムなどを展示したが、それらに加えて8軸多関節ロボット「xLobomo(クロスロボモ)」のデモンストレーションも行い、来場者の注目を集めた。

紙幣を自動でカウント

紙幣計数機をロボットの近くに置いても紙幣を投入できる

 クロスロボモは、垂直多関節ロボットと直交ロボットを組み合わせたような独自構造のロボットだ。この構造は特許も取得している。従来のロボットではできなかった動き方ができ、狭い場所でも作業がしやすい。

 会場では自社製品である紙幣計数機とクロスロボモを組み合わせ、紙幣計数の自動化システムを構築した。ラックにストックしてある札束をクロスロボモがつかんで計数機に投入し、計数後の札束をラックに戻す。
 展示システムの機能はシンプルだが「組み合わせる機械次第でさまざまな作業が可能。複数工程をクロスロボモ1台でこなすこともできる」(担当者)

実証実験や協働仕様の開発も

目立つ位置に展示されたクロスロボモは多くの注目を集めた

 プライベートショーに来場するのは金融機関や流通・小売り業、現金の警備輸送を担う警備会社の関係者などが多いが、通貨処理機だけでなくクロスロボモにも大きな注目が集まり、常に黒山の人だかりができた。
 「現金の処理にはできるだけ人を介在させたくないと考えるユーザーは多く、自動化のニーズは高い」と担当者は言う。

 クロスロボモは参考出展で、製品をブラッシュアップしながら来年にはユーザーとともに実証実験などを開始したい考えだ。まずは通常の産業用ロボットとして提案するが、安全柵なしで使用できる協働ロボット仕様の開発も進めている。

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)

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