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2023.11.28

ロボット向けフレームレスモーターを開発/マブチモーター

大手モーターメーカーのマブチモーターはロボット向けのモーターの製造を推進する。その一環で、小型の中空フレームレスモーター「IA/IBシリーズ」を発売した。フレームレス構造により小型化、軽量化を実現。自由度の高い設計が可能。この秋、量産体制が整い、新たな分野の顧客に販売を拡大する狙いだ。

中空フレームレスモーターで自由度の高い設計を

モーターを分解した写真、中央には空洞がある

 マブチモーターは中空フレームレスモーター「IA/IBシリーズ」を昨年4月に発売した。
 ステーター径は60mm~120mmの4サイズをラインアップし、組み込む製品のサイズや構造、出力条件に合わせて選択できる。

 フレームレス構造で、小型化、軽量化を実現した。直接製品に組み込め、中央の空洞部分にケーブルを収納するなど、デザインや利便性を重視した自由度の高い設計を実現する。
 ライフ・インダストリー事業部の秋本隆宏副事業部長は「フレームレスモーターを新たにラインアップしたことで、幅広い需要に対応できるようになった」と語る。

小型ボディーから高出力

コンパクトな4サイズがラインナップ

 このシリーズは自動車向けや医療機器向けの製造で培った品質の高さが売りだ。ローター(回転)部分のマグネットの配列や磁気回路の最適な設計で、エネルギー変換効率は最高90%を実現した。
 協働ロボットのアーム部分での使用を想定した設計で、コギング(磁力によるシャフトの引っ掛かり)を抑制した滑らかな動きを実現する。

 現在フレームレスモーターの需要は拡大傾向にあり、徹底的に小型化・軽量化を希望する顧客からの評判もよいという。

オンラインで1個から購入

製品の魅力を語る秋本副事業部長

 本シリーズは同社のオンラインショップで1個から購入でき、気軽に試験や導入ができる体制となっている。
 現在はベンチャー企業や研究所から国内外問わず引き合いがある。秋本副事業部長は「モビリティーやロボットに限らず、幅広い分野で活用してほしい」と語る。どのように他の業界にPRしていくかが今後の課題だ。

 小型・高出力の特徴を生かし、スペースの余裕がない場所や機械に導入することで、自動化に役立てることが可能だ。活用方法は幅広い。実際に、協働ロボット向け以外の用途にも活用が始まっている。
 秋本副事業部長は「小口向けだけではなく量産向けの製造を開始している。顧客の声に耳を傾けながら、順次バリエーションを拡大していきたい」と展望を語る。

(ロボットダイジェスト編集部 斉藤安紀)



※この記事は「月刊生産財マーケティング」2023年10月号に掲載した内容を再編集したものです。

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