次世代のロボット制御プラットフォームを発表/ABB
スイスの大手ロボットメーカーのABBは6月4日、次世代のロボット制御プラットフォーム(基盤)「OmniCore(オムニコア)」を発表した。2026年6月に販売を終了する既存のロボットコントローラー「IRC5」の後継製品で、開発には1億7000万ドル(約266億円)を投じた。
オムニコアは人工知能(AI)やセンサー、クラウドなどを統合した拡張性が高いモジュール式のロボット制御プラットフォームだ。ロボットや周辺機器などのハードウエアとロボット用のソフトウエアを、単一のプラットフォーム上で管理できる。また、複数のロボットを最大毎秒1600mmで動作させつつ、軌跡精度は0.6mm以下に保てる。そのため、アーク溶接やスマートフォンのディスプレーの組み立てなど、精密な動作が求められる分野にも自動化システムを導入しやすい。この他、オムニコアは従来の同社製ロボットコントローラーと比較してロボットの動作を最大25%高速化できる上、消費エネルギーを同20%削減する。
ABBロボティクス&ディスクリート・オートメーションビジネスエリアのプレジデントであるサミ・アティヤ氏は「労働力不足や持続可能な事業運営などに対応するために、効率性の向上を求めるお客さまにとり、自動化は不可欠な要素。わが社の高性能のロボットがより多くの場所でより多くのタスクをこなせるよう、ロボット同士をシームレスに連携するプラットフォームを開発した」と話す。