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2024.07.19

切削加工用ロボットシステムの市場拡大へ、「ロボット加工技術研究会」発足

システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)のトライエンジニアリング(名古屋市守山区、片山誠二社長)や切削工具メーカーのイワタツール(同、岩田昌尚社長)など8社が、「ロボット加工技術研究会」を7月4日付で発足した。切削加工用ロボットシステムの技術開発を推進し、認知度向上や市場拡大につなげるという。同日から開幕した産業用ロボットや自動化システムの専門展「ロボットテクノロジージャパン(RTJ)2024」の会場で会見を開き、発足の狙いや今後の取り組みについて報道関係者らに発表した。

中型や大型のワークの切削加工に

近年増えつつある切削加工用ロボットシステムの提案(写真はRTJ2024のトライエンジニアリングのブースで撮影)

 ロボット加工技術研究会は、切削加工用ロボットシステムの技術開発などを担う研究団体だ。トライエンジニアリングなど8社が主導し、RTJ2024会期初日の7月4日付で発足した。

 切削加工とは切削工具と呼ばれる刃物を使い、金属や樹脂などの対象物から不要な部分を削り取って目的の形状を作る加工法だ。一般的には旋盤やマシニングセンタといった工作機械が広く使われるが、近年はロボットアームの先端に切削工具を持たせた切削加工用ロボットシステムの提案も増えつつある。
 トライエンジニアリングの岡丈晴専務は「加工スピードや加工精度を追求するなら工作機械の優位性は大きい。しかし、中型や大型のワーク(加工対象物)の切削加工になると工作機械のサイズやコストが高くなるため、こうした領域にロボットを適用すればシステムのコストダウンや省スペース化が期待できる。また、ロボットは汎用性が高く、エンドエフェクターを交換するだけで切削加工やワーク搬送、計測などの幅広い作業ができるのもメリット」と説明する。

技術開発を推進

「切削加工用ロボットシステムの市場形成の一翼を担いたい」と話すトライエンジニアリングの岡丈晴専務

 切削加工用ロボットシステムにはロボット本体に加え、工具や主軸、潤滑、測定などのさまざまな要素技術が必要な上に、これらの要素技術を統合して一つのシステムを構築するSIerの存在も欠かせない。
 そのため、切削加工用ロボットシステムに関わるメーカーやSIerが一堂に集まって技術開発を推進し、認知度向上や市場拡大につなげる狙いで、8社が中心となってロボット加工技術研究会を立ち上げた。岡専務は「さまざまな企業や研究者にも今後参画していただき、切削加工用ロボットシステムの市場形成の一翼を担いたい」と語る。

 発足時の会員企業はイワタツール、ジェービーエムエンジニアリング(大阪府東大阪市、小谷幸次社長)、田野井製作所(埼玉県白岡市、田野井優美社長)、トライエンジニアリング、ファナック、フジBC技研(名古屋市瑞穂区、伊藤学社長)、安川電機、レニショー(東京都新宿区、ジェイソン・テイラー社長)の8社(50音順)。まだ発足したばかりのため、会長や事務所などの詳細はこれから詰める予定だ。

(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)

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