25年2月期は受注伸びず減収減益、今期は反転増収へ/安川電機
受注回復に遅れ
安川電機は4月4日、北九州市八幡西区の本社で会見を開き、2025年2月期の決算を発表した。会見には小川昌寛社長と一木靖司上席執行役員、林田歩上席執行役員が出席した。
同社は国際会計基準(IFRS)を採用しており、25年2月期の売上高にあたる売り上げ収益は前期比6.6%減の5376億8200万円、営業利益は同24.3%減の501億5600万円となり、減収減益だった。サーボモーターやインバーターなどの事業を含むモーションコントロール領域を中心に国内の半導体市場の回復が遅れ、売り上げや営業利益は減少した。小川社長は「第3、第4四半期に期待したほど回復しなかった」と分析した。一方、中国の関連子会社の株式の一部譲渡に伴い、親会社の所有者に帰属する当期利益は同12.4%増の569億8700万円と増益だった。
ロボット事業や今期見通しは堅調
ロボット事業の売り上げは同1.2%増の2374億1300万円、営業利益は同5.6%減の237億5100万円だった。自動車業界の設備投資は低調だが、受注済みの大口案件の売り上げが計上された他、半導体業界向けのウエハー搬送ロボットの販売が増加したことから、売り上げは前期比で微増した。利益面では、工場の稼働率低下やシステム対応力の強化に向けた先行投資を行ったことで減益となった。
26年2月期の全体の売り上げ収益は同2.3%増の5500億円、営業利益は同19.6%増の600億円、当期利益は18.4%減の465億円を計画する。小川社長は「昨期の第4四半期は第3四半期に比べ、受注ペースが上向いた。受注残の状況を踏まえた現実的な読みとして増収の見通し」と話した。米国トランプ政権による関税の影響については「関税問題は最大のリスク。先行きを読めないことが最たるリスク要因だ。現時点では業績予想には織り込んでいない。個別の影響は今後精査していきたい」と話すにとどめた。
(松川裕希)