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2020.06.22

連載

[注目製品PickUp!vol.25]0.1mmが分かると、活用法はこんなに広がる【前編】/アサ電子工業「高精度シリンダセンサACHシリーズ」

日米で特許を取得

一般的な磁気センサーの反応の仕組み(提供)

 シリンダー向けの磁気センサーは、磁力により磁石の接近を検知する。シリンダーの稼働部であるピストンに磁石を搭載し、ピストンの到達を検知したい位置の外部にセンサーを固定する。ピストンが動き、検知位置に磁石が達するとセンサーが反応する。

 一般的な磁気センサーは、磁力の強さを計測する。磁石が接近するとセンサー付近の磁力が強まり、それが一定値を超えると、オンとオフを切り替える。
 ただし、磁力は磁石を中心に円形に広がり、磁石から遠ざかるほどなだらかに弱まる。その磁力の変化がなだらかな最中に、センサーのオンとオフの切り替え点がある。シリンダー内部の変化で磁石とセンサーの間隔が変化したり、経年劣化による磁力の弱まりなどで、オンとオフの切り替え点を安定させにくい。そのため、メーカーは高い精度を保証できない。

アサ電子工業のセンサーの反応の仕組み(提供)

 一方、ACHシリーズは磁石のS極とN極を並べ、入れ替わり点を基準に磁力を計測する。検知できる磁力の強さが変わっても、磁力が入れ替わる点は変化しない。安定した計測ができ、高い精度を保証できる。

 この仕組みは日本だけでなく、米国などでも特許を取得。日本で特許を取得して約10年が経過しているが、この仕組みを使った製品がこの数年で知名度を高めている理由は「自動化ニーズの高まりだけではない」(橋本部長)という。後編では、その理由と高精度なセンサーの具体的な活用法に迫る。

(ロボットダイジェスト編集部 西塚将喜)



[注目製品PickUp!vol.25]0.1mmが分かると、活用法はこんなに広がる【後編】/アサ電子工業「高精度シリンダセンサACHシリーズ」

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