[注目製品PickUp!vol.25]0.1mmが分かると、活用法はこんなに広がる【前編】/アサ電子工業「高精度シリンダセンサACHシリーズ」
日米で特許を取得
シリンダー向けの磁気センサーは、磁力により磁石の接近を検知する。シリンダーの稼働部であるピストンに磁石を搭載し、ピストンの到達を検知したい位置の外部にセンサーを固定する。ピストンが動き、検知位置に磁石が達するとセンサーが反応する。
一般的な磁気センサーは、磁力の強さを計測する。磁石が接近するとセンサー付近の磁力が強まり、それが一定値を超えると、オンとオフを切り替える。
ただし、磁力は磁石を中心に円形に広がり、磁石から遠ざかるほどなだらかに弱まる。その磁力の変化がなだらかな最中に、センサーのオンとオフの切り替え点がある。シリンダー内部の変化で磁石とセンサーの間隔が変化したり、経年劣化による磁力の弱まりなどで、オンとオフの切り替え点を安定させにくい。そのため、メーカーは高い精度を保証できない。
一方、ACHシリーズは磁石のS極とN極を並べ、入れ替わり点を基準に磁力を計測する。検知できる磁力の強さが変わっても、磁力が入れ替わる点は変化しない。安定した計測ができ、高い精度を保証できる。
この仕組みは日本だけでなく、米国などでも特許を取得。日本で特許を取得して約10年が経過しているが、この仕組みを使った製品がこの数年で知名度を高めている理由は「自動化ニーズの高まりだけではない」(橋本部長)という。後編では、その理由と高精度なセンサーの具体的な活用法に迫る。
(ロボットダイジェスト編集部 西塚将喜)
[注目製品PickUp!vol.25]0.1mmが分かると、活用法はこんなに広がる【後編】/アサ電子工業「高精度シリンダセンサACHシリーズ」