[SIerを訪ねてvol.35]ワークストッカーの設計で、工作機械向けのビジネスを強化/ミルデザイン
引き出しの多さが分かれ目
経験値の高さ――。
竹井社長は自社の強みをそう分析する。「例えば『シリンダー』と言われた時に、どれだけ多くのメーカーの存在や製品の一長一短を過去の業務経験から思い起こせるか。専用装置やロボットシステムの設計では、こうした引き出しの多さが勝負の分かれ目になる」と述べる。
現在、その“経験値”の獲得に特に注力している分野が工作機械用のワークストッカーの設計、製作だ。ある工作機械メーカーからの仕事を16年に引き受けたのを機に、工作機械業界向けのビジネスを強化している。
工作機械に付帯する自動化システムには、多関節ロボットやロボットハンドだけではなく、加工前の素材や加工後のワークを収納するストッカーが欠かせない。近年はロボットやワークストッカーをセットにした自動化システムの開発に取り組む工作機械メーカーも増えており、同社はワークストッカーの領域でメーカー各社に協力している。既に複数のメーカーと取引しており、各社の製品に合ったワークストッカーの設計、製作を手掛けた実績もある。
「工作機械や切削加工に関する知識がほとんどなく、仕事を初めて受けた時は工作機械業界の常識を理解するのが大変だった。だが、フットワークの軽さや小回りの良さを生かして工作機械メーカーの設計者と交流を深め、徐々に知識を身に付けると同時に信頼関係も築いてきた」と竹井社長は語る。