[ショールーム探訪vol.34]製品の良さを見て触れて体感できる/オークラ輸送機「オークラ本社工場ショールーム」
使い勝手を実感
オークラ本社工場ショールームは「『選べる』『試せる』『実感できる』」をコンセプトに、ただ製品を見るだけでなく、実際に操作し、機能や使い勝手を確認できる。
ショールームに入ってまず案内してもらったのが、仕分け装置「PTIシステム」だ。棚の上部には、首がくるくると動くLEDライトが取り付けられている。作業者が商品のJANコード(商品識別コード)をリーダーで読み取ると、棚に置かれた数多くの集品ケースの中から、LEDライトが該当ケースを照射する。作業者は照射されたケースに商品を投入するだけでよいため、仕分け作業をスピーディーに進められる。
記者も実際に商品のJANコードを読み取らせてみると、瞬時にLEDライトが投入場所を指し示してくれたため、どの集品ケースに投入すればよいのかすぐに分かりスムーズに作業できた。
充実の自動化提案
ショールームでは産業用ロボットを使った自動化システムも多く展示されており、動作の様子も見られる。
ロボットを組み込んだ最新システムでは、過去に連載企画「注目製品 Pick Up!」で紹介したパレタイジングシステム「EasyPAL(イージーパル)」を提案する。稼働に必要なロボットや周辺機器一式がセットになったパッケージシステムだ。
オークラ輸送機が開発したパレタイズ用のオフライン・ティーチング・ソフトウエア「OXPA(オクスパ)-QmC」で、教示(ティーチング)の手間を省けるのが強み。搬送物の寸法や重さ、積み付けパターンなどのデータを入力するだけでプログラムを自動生成できる。
ロボット本体は協働ロボットを使うため、安全柵なしで狭い場所でもコンパクトに設置できる。
パッケージに同梱されるセーフティーセンサーで、人が立ち入ったらロボットの動作を制限するエリアを設定でき、人との接触を未然に防ぐ。ショールームでもその機能を実演をしており、ショールームの床に書かれた「減速エリア」「停止エリア」に実際に立ち入ると、センサーが反応してロボットが減速、停止したため、安全性の高さを実感できた。
数ある展示の中でもひときわ目を引かれたのが、コンテナ搬送ユニット「CTU」のデモだ。高さ3mほどの棚に置かれたコンテナを次々に出し入れする。
CTUは無人搬送車(AGV)の上にリフトやコンテナの受け渡し機構が載る構造。ピッキングしたいコンテナが置かれた棚まで移動し、リフト機構で高さを合わせて伸縮アームを伸ばし、アーム先端のフックをコンテナに引っ掛けてコンテナを取り出す。リフトは最大4000mmまで上昇する。
説明員は「コンテナを両脇からつかむ場合は、棚に置くコンテナ同士の間隔が120mm~150mmほど必要になる。しかし、CTUはコンテナをフックで引っ掛けるだけで済むため、コンテナを20mm間隔で並べられて、スペース効率をさらに高められる」と語る。
また、オークラ輸送機が日本市場における販売代理店となるフランスのEXOTEC(エグゾテック)が開発したロボット自動倉庫「Skypod(スカイポッド)」もショールームに展示する。棚の高さは最大12mまで対応し、CTUよりもスペース効率に優れる。「例えば取り出し頻度の低い商品を多く保管するような物流現場にスカイポッドが向く」と説明員は話す。