[ショールーム探訪vol.33]本物の物流倉庫で本番さながらのデモ/Phoxter「R&Dセンター」
開発拠点とショールームを兼ねる
フォクスターは同年9月17日、ロジック南茨木の倉庫スペースの一画にR&Dセンターを開設した。同社は、中国のHIKROBOT(ハイクロボット)やZIKOO(ジクー)を中心とする各種搬送ロボットを活用したソリューションを、製造業や物流業界向けに提供するシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)であり、自社製の自律走行型搬送ロボット(AMR)の開発に取り組むロボットメーカーでもある。同センターは同社にとり初めての開発専用の拠点で、ショールームとしての機能も持つ。
物流自動化のデモをフルラインアップ
同センターは物流倉庫を仕切った一角にある。立体倉庫が置ける高い天井、実際の物流の現場のトラックバース。足を踏み入れた記者が感じたのは、ショールームというよりもロボットユーザーの現場を訪ねた時の印象に近い。センター内には荷下ろしから検品、入出庫、出荷に至る自動化システムが円を描くように配置され、コンパクトながら倉庫内物流の全体像をつかみやすい。
ハイクロボットの無人搬送車(AGV)やAMR、カートンを立体倉庫に出し入れするカートン搬送ロボット(CTU)など、物流倉庫で使用する各種ロボットを設置。検査工程で使用する協働ロボットもテストのために置いている。これらの設備を使い、顧客の現場に合わせたシステムやプログラムを開発するのが同センターの本来の役割だ。また、開発中の自社製AMRの完成度を高める機能も担う。将来的にロボットメーカーへの脱皮を図る方針の表れだ。搬送ソリューション事業部の矢部秀一さんは「独立した開発拠点を持つことは念願だった」と話す。
そして、取り扱うロボットの多くを導入した同センターを、PRに活用しない手はない。営業活動の一環として顧客を招き、デモンストレーションを披露するのだ。「従来は本社内の一室で動かす程度のデモしかできなかったが、本番に近い環境でロボットの動きを見てもらえる」と話し、ショールームとしてのPR効果に期待を寄せる。