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2025.02.14

連載

[ロボットが活躍する現場vol.44]協働ロボットがブランディングに!「小人の靴屋プロジェクト」で自動化推進/有川製作所

自動化システムを手の内に

自動化システムの構築を担当する有川製作所の竹内雷さん

 前のページで紹介した単発プレス加工機向けの自動化システムや2種類の検査の自動化システムも含め、有川製作所が手掛けたシステムは全て内製だ。トラブルに迅速に対応したり、継続的な改善を図ったりするため、自動化を志した当初から内製化にこだわったという。

 だが、当初は協働ロボットやロボットハンドなどのノウハウがなかった。そのため、小人の靴屋プロジェクトで連携したオムロンや山崎電機からの技術的なフォローを受けつつ、竹内さんを含む専任担当が一から知識を蓄えて自動化システムの内製にこぎ着けた。
 「自動化システムを“手の内化”するためにも、構想設計やメカ設計、協働ロボットのプログラミングなどは自前で対応した。製造現場で働くスタッフが自動化システムを構築するからこそ、自分たちの手の動きを協働ロボットのプログラムに直接反映できるのが大きな強み」と有川社長は述べる。

自動化で8人を新規採用

7台の協働ロボットが稼働する製造現場をショールームとしても活用

 有川製作所は7台の協働ロボットをプレス加工や検査、タップ加工の工程に継続的に導入したことで、生産能力の増強や省人化、品質の安定化などさまざまなメリットが得られた。
 「最も良かった点は採用活動への影響。協働ロボットを入れる前は誰からも応募が来ない状態だったが、20年に自動化に挑戦してから現在までに8人の社員を新たに採用できた」と有川社長は強調する。
 小人の靴屋プロジェクトは同社の企業価値向上やブランディングにもつながり、単純作業の自動化を通じて生み出した人的リソースを金型関連の技術力強化や新規事業の創出などにも割けるようになった。

 同社は7台の協働ロボットを全てワンフロアに集約しており、現在はそのエリアをショールームとして開放している。「小人の靴屋展示場」と銘打ってショールームとして23年6月に開設して以来、現在までに600人以上が見学に訪れたという。
 有川社長は「実際の製造現場での活用事例を外部に広く紹介することで、来場者に実践的な学びを提供したい。また、ショールームに来場した企業と新たなイノベーション(技術革新)を創出したり、学生にものづくりの魅力を発信したりする場としても使いたい」と語る。

(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)



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