[気鋭のロボット研究者vol.11]普及期の今こそ、ロボットの教示を簡単に【前編】/横浜国立大学 前田雄介准教授
ロボットが自律的に経路を生成
前田雄介准教授は「自動経路生成」で教示作業を簡単にする。自動経路生成は、昨年末の2019国際ロボット展でも話題になった技術の1つだ。
例えば、ロボットがA地点に置いた物をB地点に運ぶ。自動経路生成技術を使えば、作業者はA地点とB地点を教えるだけで、ロボットの制御システムがパターン化した動作手順やプログラム、人工知能(AI)を駆使し、自律的に経路を生成する。
自動で経路を生成するためには、事前にロボットシステムが、周辺環境を把握していなければならない。A地点とB地点の間に障害物がある場合に把握していないと、ロボットが障害物に衝突してしまう。ロボットアームの可動範囲と周辺環境を加味した判断が、システムには求められる。
ロボットを直接動かし、周辺環境を教える
ARで指定範囲を分かりやすく
前田雄介(まえだ・ゆうすけ)
横浜国立大学 大学院工学研究院 システムの創生部門 准教授
1995年3月東京大学工学部卒。97年3月同大学工学系研究科精密機械工学専攻修士課程修了。一般企業勤務を経て99年4月東京大学大学院工学系研究科精密機械工学専攻助手。2004年4月横浜国立大学大学院工学研究院システムの創生部門講師。07年4月より現職。愛知県出身の47歳。休日は家族サービスに充てるなど、子煩悩な一面も。