物流が変わる! 注目浴びる新世代AGV【後編】
スラム以外の方式も
2月12日~14日に東京都江東区の東京ビッグサイトで開かれた展示会「スマート工場EXPO」や「ロボデックス」には、スラム以外の誘導方式のAGVを提案する企業もあった。
DooG(ドーグ、茨城県つくば市、大島章社長)は、自動追従式の「サウザー」を展示した。人や台車の後ろを自動で付いて回る製品だ。複数台を導入する場合、サウザーの後ろを別のサウザーに追わせることもできる。
また、敷設した反射テープの上を走行するモードにも切り替えらえる。磁気テープと違ってテープとそれを読み取るセンサーが多少離れても問題なく、またタイヤの径も大きいため、段差や傾斜のある環境でも使いやすい。
会場では斜面や段差に強いことをアピールするため、ブースに小さなスロープを設置。乗り越える動作を実演し、高い走破能力を訴求した。
「スラム型AGVのような複雑な設定が不要で、専門知識がなくても容易に導入できる。現場のレイアウトが頻繁に変わる物流現場に最適な製品」と広報担当者は自信を見せる。
AGVにロボットアームを追加
レーザー機器やFA機器商社のカンタム・ウシカタ(横浜市都筑区、久保至社長)は、デンマークのユニバーサルロボット製協働ロボットと、同じくデンマークのモバイル・インダストリアル・ロボットのAGV「MiR(ミア)」を組み合わせたシステム「Actibo(アクティボ)」を展示した。
「スラム方式のAGVはさまざまな企業から販売されているが、ミアは旋回性能や連続駆動時間などの性能が高く、応用力の高い製品。ミアでなければ使えない現場もある」とMiR公認技術者・認定トレーナーでもある川口宗宏技術担当は言う。
AGVに協働ロボットを載せたシステムは現状、工場の工程間搬送を意識した展示が多い。しかし中には、協働ロボット搭載のAGVを物流拠点でのピッキング作業向けに提案する企業もあり、さまざまな応用の可能性がある組み合わせと言えそうだ。