[特集 物流機器は新世代へvol.14]初日を上回る来場者、好天恵まれ3日目も期待
パレット積みを省スペースに/芝浦機械
今回が初出展の芝浦機械は、スカラロボットでの段ボール箱の荷役台(パレット)への積み込みを披露した。特徴的なのは、床のパレット台が回転すること。
会場に設置したロボットのアーム長では、パレットの奥まで届かず段ボール箱が積めない。パレットを載せた台をサーボモーターで回転させることで、段ボール箱を積み位置を、アームが届く位置にまで移動できる。
本来ならアームの長い大型のロボットと、そのための広い設置場所が必要な場合でも、より小型のロボットで同じ作業がこなせ、省スペース化を実現する。製造現場への自動化提案が多い同社だが、今後は物流現場などにも注力する考え。物流現場ならではの使用方法のアイデアやニーズを、今回の出展で得たいという。
「群知能」で考えるフォークリフト/マイティーカーサービス
産業車両や自動車を整備するマイティーカーサービス(東京都千代田区、吉岡和人社長)は、昨年に代理店契約を結んだオーストリアのアギロックスの自動走行フォークリフト「AGILOX(アギロックス)IGV」を展示した。
工場や倉庫の地図データを作成すれば、アギロックスIGVが走行ルートを自動で作成。上部に付いたセンサーで障害物を検知し、衝突を回避する。単体で活動するだけでなく、複数のアギロックスが相互に通信し、状況に応じて最適に動く「群知能」を採用した。
欧州の大手企業を中心に導入実績を持つが、日本ではまだ。コロナ禍の影響で、代理店として十分に活動できなかった。昨年12月にアギロックス専門のチームを結成し、今回の物流展から本格的に活動を開始した。製造業や物流関連の来場者からの反応は上々という。
AGVメーカーにユニット提案/タマディック
自動車や航空機、産業機械の設計などを手掛けるタマディックは、目的地に向かって自律的に走行するSLAM(スラム)誘導方式の無人搬送車(AGV)のコンセプトモデルを披露した。最大の特徴は、走行と操舵を1台のモーターで制御できる独自開発の「2in1駆動ユニット」。従来は走行と操舵のそれぞれにモーターが必要だったが、同ユニットの採用でモーターの搭載数を減らし、コスト削減を実現した。ユニットを対角線上に2つ配置した構造で、たった2つのモーターだけで全方向に移動できる。
AGVそのものを外販する予定はなく、今後はユニットをAGVメーカーに提案する考え。「ユニットなどの要素技術をアピールするために、AGVのコンセプトモデルを開発して展示した」を担当者は説明する。