[ロボへの道も一歩からCase.1-⑪]ロボが動く時…/サンエース編
ようやくステップが1段上がった
【前回までのあらすじ】 <前回記事はこちらから>
水栓金具の組み立てや検査をするサンエース(岐阜県各務原市、藤田斉社長)は、配管に使う鋳物部品「エルボ」の検査工程の自動化を目指す。システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)なしでの導入は困難を極めたが、昨年末に届いたロボットにハンドを取り付け、外側の枠を作るところまではできた。
6軸垂直多関節ロボット「VT6L」にハンドを取り付け、昇降機や検査機などの周辺装置も定位置に設置。ついにロボットシステムの全貌が明らかになった。
3月前半に工場を訪れた時、ロボットの導入を担当する生産技術の斉藤さんと、補佐として手伝う品質管理の糠谷さんが、ロボットの動きを確認していた。
「今は指示通りにロボットが動いてくれている。ハンドとの連携はまだですが、一連の動作は問題なくできると思います」(斉藤さん)
「すごいですね。前回までは動きの一部しかできてなかったのに。プログラムを組んだんですか」(記者)
「そうですね。干渉(周囲とぶつかること)がない事を確認しながら考えて、プログラムを組みました……糠谷さんが」(斉藤さん)
「あ、糠谷さんが組んでるんですか? でも、これまでプログラムを組むような事って?」(記者)
「1回もないですね。組んでるところを見たことはありましたけど」(糠谷さん)
「結構簡単にできるものなんですか?」(記者)
「苦労はしましたけどね。かなり説明書を読み込みました。初歩的な動きは分かってきました」(糠谷さん)
「もう、バッチリですね」(記者)
「動かすだけなら…。問題はここからでしょう。トラブルが起きた時に、どのように変更するかなどが課題になると思います」(糠谷さん)
「プログラムはパソコンと同じですよ」(斉藤さん)
「使い方が分かれば誰でも使えるって意味ですか?」(記者)
「最初は誰でも使うのに時間がかかるってことです」(斉藤さん)