協働ロボットをテーマに20回目のWG/愛知県
約50人が参加
製造業の集積地として知られる愛知県は、ロボット産業を自動車や航空宇宙に続く「第3の柱」とするため、2014年11月にあいちロボット産業クラスター推進協議会を立ち上げた。
同協議会には製造現場や物流現場への産業用ロボットの導入を促進する「製造・物流等分野ロボット導入実証WG」に加え、医療現場や介護現場向けのロボットの開発や実用化を目指す「医療・介護等分野ロボット実用化WG」、主にドローン(無人機)を取り扱う「無人飛行ロボット活用WG」の3つのWGがあり、産官学連携でロボット関連の新技術や新製品の研究開発を担う。
同協議会は22年12月15日、「協働ロボット活用のためのヒント」をテーマに第20回製造・物流等ロボット導入実証WGを愛知県一宮市の「一宮市千秋公民館」で開催した。協働ロボットに関心を持つ製造業各社やSIer、同協議会の会員企業などから約50人が参加した。
さまざまな質問飛び交う
デンソーウェーブのソリューション事業部FAシステムエンジニアリング部の澤田洋祐部長は、今年3月に発表した新型協働ロボット「COBOTTA PRO(コボッタプロ)」を紹介した。高い生産性と安全性を両立するために取り入れた工夫や、実作業に簡単に使えるダイレクトティーチング機能などを解説した。
IDECファクトリーソリューションズ(愛知県一宮市、武仲清貴社長)の鈴木正敏取締役は協働ロボットの主要なアプリケーション(応用事例)を発表。併せて、リスクアセスメント(リスクの分析と対処)の重要性も指摘した。
自動車部品メーカーのカサイ製作所(愛知県一宮市、葛西泉社長)は20年と21年にデンソーウェーブの小型協働ロボット「COBOTTA(コボッタ)」を1台ずつ導入しており、奥村和功生産部部長はコボッタを採用した工程や工夫した点、成果を詳しく説明した。また、同社のグループ企業であるSIerのカサイエレックの立花大資事業部長は、研究所内の作業を自動化するラボラトリーオートメーションについて紹介した。
講演会の後は、講師4人に座長の梅崎太造中部大学教授を加えた計5人が、参加者からの相談や質問に応じる「相談・情報交換会」を開催。協働ロボットが活躍するシーンや費用対効果など、参加者からはさまざまな質問が飛び交い、活発な議論が繰り広げられた。その後、会場となった一宮市千秋公民館の近所にあるカサイ製作所の千秋工場に移動し、現場見学会を実施した。作業者とコボッタが同じ空間で共に働く様子を興味深そうにのぞき込む参加者が目立った。
(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)