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2023.06.16

食品向けロボットが注目集める!【その1】/FOOMA JAPAN2023

日本食品機械工業会は6月6日~9日の4日間、東京都江東区の東京ビッグサイトで世界最大級の食品製造総合展「FOOMA JAPAN(フーマジャパン)2023」を開催した。東1~8ホールをすべて使い、出展社数は969社と過去最大規模での開催となった。10万6104人が来場し、新型コロナウイルス禍前と変わらないにぎわいを見せた。ロボット関連の展示が特に集中したのが東7・8ホールで、大手ロボットメーカーも複数出展した。

グループのAIソリューションなどアピール/安川電機

右手前が食品仕様の協働ロボット、中央は安川電機の協働ロボットをFAMSがパッケージ化した「CoboPal」

 安川電機はグループ会社のFAMS(ファムス、新潟県見附市、森田卓寿社長)、アイキューブデジタル(福岡県北九州市、竹原正治社長)と共同で出展し、安川グループの強みを生かしたソリューションを提案した。
 食品仕様の協働ロボットなどを活用した変種変量生産対応の「原料取出しシステム」や、FAMSの製品である食品工場システム「アグリネ」などを展示した。

アイキューブデジタルのY’s-Eyeコンパクト

 アイキューブデジタルの製品では4月に発売したばかりの人工知能(AI)外観検査システム「Y’s-Eye(ワイズアイ)コンパクト」を展示。冷凍ハンバーグなど食品の焦げや欠け、異物などを検出し、NG品を除外できるシステムだ。
 以前から販売する「Y's-Eye」と比べ、コンベヤー上をランダムで流れてくる対象物には対応できず整列品のみの検査にはなるが、幅900mm×奥行き900mmとコンパクトで設置面積を約4分の1に抑えられる。
 「Y’s-Eyeコンパクトは設置面積だけでなく価格も抑えた製品だが、毎分180個の高速検査が可能で、NG品を排除する機構まで備える。パッケージ化されており、置くだけですぐに使える」とアイキューブデジタルのマーケティング担当者は話す。

各タイプの食品仕様ロボットを展示/ファナック

グリスや塗装を食品対応にしたCRXシリーズ

 ファナックは、食品を扱う作業に適した仕様のロボットを複数展示した。
 同展で初披露となったのが、協働ロボット「CRXシリーズ」の食品仕様だ。一見しただけでは通常仕様との違いが分かりにくいが、通常は黒い塗装がされた先端の手首部分がステンレスに変わり、グリスも食品対応の製品を採用した。アームのボディーも色味は通常仕様と同じ白だが、食品向けのエポキシコーティングに変更した。

ステンレス製の「ゲンコツロボット」にソフトハンドを付けて提案

 その他、ステンレス製で洗浄しても洗浄液が残りにくい形状のパラレルリンクロボットの新製品「ゲンコツロボット DR-3iB/6 ステンレス」を展示。先端に柔軟性のあるソフトハンドを取り付け、冷凍ハンバーグの搬送デモを披露した。
 食品・クリーンルーム仕様の白いスカラロボット「SR-6iA/C」も展示した。

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