[活躍するロボジョvol.22] 誰もが働きやすい職場を/オムロン 西岡寿恵さん
自動化提案は今が旬
一般には体温計などのヘルスケア機器で知られるオムロン。同社で最も多くの売り上げを生み出す事業が、制御機器や産業用ロボットなどを手掛けるインダストリアル・オートメーション・ビジネス(IAB)カンパニーだ。多種多様な製品を取り扱うIABカンパニーでは2015年に、製品ジャンルを軸に営業担当者を配置する体制から、顧客の課題を軸に1人の営業担当者が全ての製品をカバーするソリューション提案型に移行。今年3月にはソリューション営業本部として組織が改編された。
岡山事業所で勤務する西岡寿恵さんは、中国、四国地方の電子機器メーカーなどに向け、自動化や省力化を提案してきた。「新型コロナウイルス禍などをきっかけに世の中が大きく変化し、変化対応力が求められています。人手不足は深刻で、喫緊の課題です。自動化や省人化は今が旬で、これからもっと成熟していくと思います」と西岡さん。「今までは装置単体やライン単位でしたが、複数のラインや生産工程をつないだり、工場全体の引き合いが増えています」と話す。
教員志望から一転
西岡さんは大学時代には教員免許の取得を目指していたが、一転してオムロンへの入社を決めた。「会社として人間性の尊重を大切にしていることに共感しましたし、採用人数が非常に少ないということは離職率が低いのだろうと思いました。障がい者雇用に業界に先駆けて取り組んできたことなどを聞き、ここで働きたいという気持ちが強くなりました。もともとは、教員免許を取れなかった時に備えての就職活動でしたが、試験を受けるのをやめて就職一本でいくと決めました」と、考え抜いた末の決断であったことを振り返る。
志望する事業も、しっかり検討してIABカンパニーに決めた。「制御機器業界はニッチで、なかなか新規参入されにくい業界だと思います。それでいてロングセラーの商品が多く、勝てるイメージを持てましたし、会社の成長に貢献できると思ったんです」と語る。「ただ、工学系の知識はまだまだ勉強中で、ものづくりのプロと話すときには技術職の方によく助けられています」とも。