[2023国際ロボット展リポートvol.12] 多様なニーズに応える真空ハンド・吸着パッド/シュマルツ、ピアブ、コンバム、日本ピスコ、日東工器
凹凸のある基板もそのまま吸着/シュマルツ
ドイツに本拠地を置く真空機器メーカーの日本法人、シュマルツ(横浜市都筑区、ゲッテゲンス・アーネ社長)は、パレタイズ・デパレタイズ向けの真空グリッパー「ZLW」を出展した。可搬質量の小さいロボットとも組み合わせられるように、同製品の本体質量は約5kgと軽い。
ブースに展示中の7製品のうち、協働ロボット用パッドは5製品。実装基板搬送用静電気放電対応ハンド「SCG-HSS」は、カーテン状に並んだ「ならいピン」が基板の凹凸に合わせて動き、基板を吸着。少ない力で持ち上げるため、基板への影響が少ない。
「われわれは55人の小さな会社だが、日本のニーズに合わせた製品を提供していく」とゲッテゲンス・アーネ社長は話す。
ハイパワーな吸着パッドを/ピアブ・ジャパン
重い紙袋をそのまま吸着/コンバム
コンバムは、10月に発売した紙袋吸着用パレッチャー「SGP-H」をアピールした。
袋物の場合、従来の吸着パッドではシワや破けなどが発生しやすいが、コンバムでは大きく分厚いスポンジの吸着パッドでそれらを最小限に抑える。
袋の充てん率や重量によってスポンジの種類やストッパーの深さ、真空圧を調整し、最適なグリップ力を実現する。
現在、物流関係からの引き合いも好調だ。ビニール袋や紙袋の他、シュリンク包装されたペットボトルを持ち上げることもできる。
営業部長を務める国松孝行取締役は「以前から要望のあった紙袋吸着パレッチャーを、ようやく発売することができた。他でできないことをやるのがわが社の仕事。これからも顧客の問題をピンポイントで解決していきたい」と意気込む。