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2023.12.22

イベント

[2023国際ロボット展リポートvol.12] 多様なニーズに応える真空ハンド・吸着パッド/シュマルツ、ピアブ、コンバム、日本ピスコ、日東工器

ワーク(搬送などの対象物)を吸い付けて搬送する真空ハンドや吸着パッドは多様化が進む。ピンポイントなニーズに的確に応える製品を開発することで、市場の掘り起こしを狙う。国際ロボット展リポートvol.12では、各社の展示を通してその最新動向をお伝えする。

凹凸のある基板もそのまま吸着/シュマルツ

基盤の形状に合わせて動く「ならいピン」

 ドイツに本拠地を置く真空機器メーカーの日本法人、シュマルツ(横浜市都筑区、ゲッテゲンス・アーネ社長)は、パレタイズ・デパレタイズ向けの真空グリッパー「ZLW」を出展した。可搬質量の小さいロボットとも組み合わせられるように、同製品の本体質量は約5kgと軽い。

 ブースに展示中の7製品のうち、協働ロボット用パッドは5製品。実装基板搬送用静電気放電対応ハンド「SCG-HSS」は、カーテン状に並んだ「ならいピン」が基板の凹凸に合わせて動き、基板を吸着。少ない力で持ち上げるため、基板への影響が少ない。
 「われわれは55人の小さな会社だが、日本のニーズに合わせた製品を提供していく」とゲッテゲンス・アーネ社長は話す。

ハイパワーな吸着パッドを/ピアブ・ジャパン

凹凸のあるものでも難なく吸着する

 スウェーデンに本社を置く真空機器メーカー、ピアブの日本法人ピアブ・ジャパン(東京都葛飾区、吉江和幸社長)は、真空吸着パッド「KSLシリーズ」と協働ロボットを組み合わせたシステムなどを展示した
 KSLシリーズは粉じんの多い現場でも使用でき、エジェクター(真空発生器)の内部構造を改良することによって、ハイパワーを実現した。本体質量は1.8kgと軽量ながら、最大59kgのワークをつり上げられる。

 岩田真プロダクトセールスマネージャーは「重量物を人が持たずに済む現場を実現し、作業環境の改善や省スペース化に役立ててほしい」と話す。

重い紙袋をそのまま吸着/コンバム

SGP-Hをアピールするコンバムの国松孝行取締役

 コンバムは、10月に発売した紙袋吸着用パレッチャー「SGP-H」をアピールした。

 袋物の場合、従来の吸着パッドではシワや破けなどが発生しやすいが、コンバムでは大きく分厚いスポンジの吸着パッドでそれらを最小限に抑える。
 袋の充てん率や重量によってスポンジの種類やストッパーの深さ、真空圧を調整し、最適なグリップ力を実現する。
 現在、物流関係からの引き合いも好調だ。ビニール袋や紙袋の他、シュリンク包装されたペットボトルを持ち上げることもできる。

 営業部長を務める国松孝行取締役は「以前から要望のあった紙袋吸着パレッチャーを、ようやく発売することができた。他でできないことをやるのがわが社の仕事。これからも顧客の問題をピンポイントで解決していきたい」と意気込む。

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