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2024.01.15

連載

[ロボットが活躍する現場vol.32]状態にばらつきのあるエアコン室外機を自動分解/パナソニックエコテクノロジー関東

パナソニックエコテクノロジー関東(PETECK<ピーテックケー>、茨城県稲敷市、小林靖弘社長)は2023年6月、同社の家電リサイクル工場に「エアコン室外機外装自動分解システム」を導入した。人手作業で負担の大きいエアコン室外機の解体作業をロボット化した。小林社長は「エアコン解体の処理量を上げるには、ロボットを活用した工程の自動化が必要だった。使用済みの家電は1つ1つが異なる状態で廃棄されるため、それらを効率的に処理するために工夫を凝らした」と話す。

自動分解で循環経済へ

PETECKのエアコン解体ラインは、従来人手でのみ作業していた

 PETECKは使用済み家電製品のリサイクルが主な業務で、特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)で規定されるエアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機の4品目の使用済み家電を分解し、金属や樹脂など素材の再利用のために選別する。

 23年6月、エアコンの自動分解システムを導入した。2台のロボットでビス外しやカバーの取り外しを自動化するシステムだ。

23年6月に導入した、エアコン室外機外装自動分解システム

 同社はパナソニックホールディングスと金属メーカーの三菱マテリアルの合弁会社で、システム開発にはこれら2社も関わっている。
 開発を主導したのはパナソニックホールディングスのマニュファクチャリングイノベーション本部。同本部マニュファクチャリングソリューションセンターの阿部成孝主幹技師は「部品のリサイクル率を高めるためには、分解時に異物を混入させない、部品を傷つけないなど丁寧な作業が必要。そのうえで処理量を上げようとするとこれまでは人海戦術しかなかったが、働き手は簡単に集まらない。そこで自動化システムを導入し、丁寧かつ効率的な分解の実現に取り組んだ」と話す。

 全国の使用済みのエアコンの回収率は40%未満と、4品目のうち最も低い。小林社長は「今後回収率が高まれば作業量は増加する。そこで自動分解システムを導入することで、処理能力の向上を図った」と語る。

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