食品機械展でロボットに熱視線【その1】/FOOMA JAPAN2024
4日間で11万人超が来場
リニア搬送システムで箱詰めをより高度に
今回展で注目を集めたのが、リニア搬送システムを使った自動化システムだ。
大森機械工業(埼玉県越谷市、大森利夫社長)は三菱電機のリニア搬送システム「リニアトラックシステム」と産業用ロボットを活用し、お菓子の箱詰めをイメージした自動化システムを展示した。
リニア搬送システムの可動子に取り付けた容器に焼き菓子などを投入する際、衝撃を逃がす動作をしながら受け取り、お菓子の割れなどを防止する。可動子を個別に制御できるリニア搬送システムの特徴を生かした使い方だ。
オーエム機械(東京都台東区、佐脇祐二社長)は、厚紙でできた箱を組み立てて中身を入れて封をする横型連続式カートニングマシン「VCRC75」を展示した。同マシンは以前から販売するが、今回展で初めてオーストリアのB&R製のリニア搬送システムを組み込んで展示した。化粧品を意識した白い物と赤い物がランダムな順序で流れてくる中、リニア搬送システム内で紅白ワンセットに順立てし、次々に箱詰めするデモを披露した。
協働ロボットをパレタイズに活用
協働ロボットシステムを展示する企業も多かった。アプリケーション(使い方)として目立ったのは、パレット(荷役台)に荷物を積み付けるパレタイズだ。
食品などの充てん容器や充てん装置を製造する押尾産業(東京都中央区、佐藤正和社長)は、リニア搬送システムによる充てんラインも展示したが、新開発の協働ロボットパレタイズシステムも大きな注目を集めた。
設置場所を変えられる可動式のシステムで、「箱のサイズや積み付けパターンなどいくつかの項目を設定するだけで稼働させられる独自のソフトウエアが特徴」と佐藤社長は話す。
デンマークの協働ロボットメーカーのユニバーサルロボットは、最大30kg可搬の協働ロボット「UR30」で構築したパレタイズシステムを展示した。シュマルツが開発した袋搬送用の吸着パッド「サックグリッパーPSSG」を搭載し、米穀などの大型の紙袋の搬送を提案した。