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2024.07.01

[直前特集RTJ2024 vol.8]初出展のワケ/ブリヂストン ソフトロボティクス ベンチャーズ、DOBOT JAPAN

ロボットテクノロジージャパン(RTJ)2024には多数の初出展企業が出展する。その中でもゴム人工筋肉を利用したソフトロボットハンドを手掛けるブリヂストン ソフトロボティクスベンチャーズと、中国の深センに本社を置くロボットメーカーDOBOT(ドゥーボット)の日本法人DOBOT JAPAN(ドゥーボットジャパン)の意気込みを紹介する。


置き換えではない提案を

さまざまな形状のものを把持できるロボットハンドTETOTE(提供)

 ブリヂストンの社内ベンチャーであるブリヂストン ソフトロボティクスベンチャーズ(D-59)は、中部地方の製造業、中でも自動車業界に対し、やわらかいロボットハンドを通じた具体的な自動化を提案する。展示では実際に導入するイメージを持ってもらうため、困り事の解決事例を再現して展示する。「RTJ2024はわが社にとって分岐点となる展示会だ」と音山哲ー最高経営責任者(CEO)は語る。

見た目もやわらかい印象を与えるハンド(提供)

 会場に並ぶのはブリヂストンが開発するゴム人工筋肉を使用したロボットハンド「TETOTE(テトテ)」だ。材質は主にゴムや繊維のため質量は約500gと軽い。一つのハンドでさまざまな形状・重さ・素材の把持対象物(ワーク)を扱うことが可能で、ワークを傷つけない。可搬質量2kg~3kg。その他、5kg~6kgのワークを把持する重量物ハンドと、狭い隙間にアプローチできる細径ハンドを参考出展する予定だ。既存の作業をそのまま置き換えるのではなく、作業工程全体を見直した上で、自動化の対象工程を選び、最適な提案をする。

強くてやわらかいロボット

「現場に寄り添った提案ができます」と語る音山哲一CEO

 「ゴムチューブに空気を送って駆動させるハンドで、そう聞くと、弱い力でしかつかめないのではと思っている人も多い。しかし人工筋肉の内側には大気圧の5倍の圧力がかかっており、その結果ワークをしっかり把持できる。ハンドを実際に触って、力強さを体感してほしい」と音山CEOは語る。TETOTEは安全柵なしで使える協働ロボットに搭載するもので、作業者と近い距離で一緒に作業する。実際に同製品を試験導入した現場で、「恐怖を感じずに安心して一緒に作業ができるロボットハンドは初めてだ」という作業者の声を聞くこともあるという。

 「TETOTEは作業者の心理的な安心感や快適性も意識して開発したロボットハンドだ。それは人の隣で働くことを常に想定してきたからこそ」と音山CEOは話す。

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