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2024.11.07

イベント

実機体感イベントを開催/シュナイダーエレクトリック

フランスに本社を置く電気機器メーカーのシュナイダーエレクトリックの日本法人(東京都港区、白幡晶彦社長)は 10月10日、衛生用品の計数機器などを開発するオリオン機械工業(相模原市緑区、中村允雄社長)と共同で、リニア搬送機などの実機体感イベントを開催した。

発熱を抑えたリニア搬送システム

オリオン機械工業が導入したLexium MC12マルチキャリア

 イベントではオリオン機械工業の本社社屋で、シュナイダーエレクトリックのリニア搬送システム「Lexium(レクシウム)MC12マルチキャリア」やパラレルリンクロボット「Lexiumデルタロボット」を披露した。
 オリオン機械工業は、2023年にシュナイダーエレクトリックのレクシウムMC12マルチキャリアを世界で初めて導入した企業の1社 。オリオン機械工業では紙製品の搬送機として利用し、工場の一部をショールームとして公開している。

 イベントではキャリア(搬送物を載せるスライド台)が個別に高速で動く様子を披露した。 レクシウム MC12マルチキャリアはループ状にしたレールの上を、リニアモーターで駆動する複数のキャリアが走行する搬送システム。ベルトコンベヤーなどと違い、速度や停止位置をキャリアごとに制御できる。

組み立ての説明に使ったリニア搬送機のキャリアの部品

 同製品は発熱を大幅に抑えられる構造が特徴の一つ。電磁力を使用してキャリアを高速で動かすリニア搬送機は発熱が課題となるが、同製品では放熱性の高いアルミ合金をフレーム素材に採用し従来よりも長時間の連続運転が可能になった。
 シュナイダーエレクトリックの担当者は「組み立ても簡単で、標準的な大きさであれば2、3日で組み上がる」と話す。

食品製造現場にも対応するパラレルリンク

高速稼動が可能なLexiumデルタロボット

 体験会の後半では、日本で12月23日から受注開始するLexiumデルタロボットを披露した。2軸、または3軸~5軸で高速稼働する。ロボットアームの素材には折れにくく水に強いステンレスを採用し、破損のリスクを低減。従来のカーボン製アームでは破損時に炭素繊維が飛散するリスクがあったが、素材を変えることで問題を解消した。
 通常モデルの他に、本体を丸ごと洗浄できるモデルをラインアップし、食品製造現場にも対応する。2軸動作のTシリーズは最大60kg可搬、3軸から5軸動作のPシリーズは最大15kg可搬。担当者は「現実の工場設備をデジタルツイン技術で仮想空間に再現し、稼働状況を同期させることも可能」と話す。

「立ち上げをワンストップで支援する」と語る角田裕也バイスプレジデント

 シュナイダーエレクトリックのインダストリアルオートメーション事業部の角田裕也バイスプレジデントは「人手不足にわが社の製品を役立ててほしい。技術チームが立ち上げを支援する」と意気込んだ。

(ロボットダイジェスト編集部 斉藤安紀)

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