[ショールーム探訪 vol.6]アーク溶接だけじゃない!【後編】/ダイヘン「六甲事業所」
研磨もパレタイズも
前編では「六甲ハンドリングデモルーム」の高速シーリングロボットシステムとレーザースポット溶接ロボットシステム「レーザシームステッパー」を紹介した。これらのデモシステムにテーブルを挟んで向かい合う形で設置されているのが、切削・研磨用ロボットシステムとピッキング・仕分けロボットシステムだ。
切削・研磨用ロボットシステムは、その名の通り金属加工で活躍する。回転速度と方向、切削量を数値で指定し、作業のティーチング(教示)がしやすい。デモシステムでは研磨加工を実演する。ロボットは同社のケーブル内蔵ロボット「FD-B100」を使用する。FAロボット事業部技術部技術営業課の吉野貴統さんは「同製品は、ケーブルの干渉を減らし加工に適した姿勢で切削や研磨をしやすいのが特徴」と語る。
六甲ハンドリングデモルームで最後に紹介するのが、ピッキング・仕分けロボットシステムだ。デモシステムでは段ボールのピッキングを実演する。ロボットハンド「真空吸着パッド」は、真空吸着制御でさまざまな素材や形状に対応する。オプションの「パレタイズ機能」を使えば、パレタイズやデパレタイズの教示が容易になる。
ロボットだけで完結
テクニカルセンター内に入ると、半円を描くように配置された5台のロボットが目に飛び込む。これは「5台協調フレキシブル溶接システム」で、その名の通り7軸多関節ロボット2台と6軸多関節ロボット3台の計5台がそれぞれ協調し、最適な溶接姿勢でロボットによる溶接をする。
デモの流れとして、まず中央に位置する6軸多関節ロボットが、溶接したい小型のワーク(加工対象物)をつかんで準備する。その後、奥にいる一対の7軸多関節ロボットがデモシステム後方にある鉄の棒をつかみ、中央部に持ってくる。水平にした鉄の棒のあらかじめ指定した位置へ小型ワークをあてがい、最後に、手前にいる一対の6軸多関節ロボットが、ハンド部分にセットされた溶接機器で鉄の棒と小型ワークを溶接する。
3次元(D)ビジョンセンサーと2Dビジョンセンサーで、鉄の棒や小型ワークの位置を細かく制御できる。各ロボットが他のロボットに干渉しないよう、息ぴったりに動くさまは見応えがある。