[SIerを訪ねてvol.16]難しい仕事が「飯のタネ」、駆け込み寺のSIer【前編】/コスモ技研
ロボットシステムの設計や製作を担うシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)を紹介する連載企画「SIerを訪ねて」。16回目の今回は、愛知県小牧市に本社を置くコスモ技研(五十嵐宏一社長)を訪問した。同社が得意とするのは、付加価値が高く特殊なロボットシステム。競合他社が敬遠する難しい案件を「飯のタネ」とし、顧客からは駆け込み寺のSIerとして認識される。
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ロボットシステムの設計や製作を担うシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)を紹介する連載企画「SIerを訪ねて」。16回目の今回は、愛知県小牧市に本社を置くコスモ技研(五十嵐宏一社長)を訪問した。同社が得意とするのは、付加価値が高く特殊なロボットシステム。競合他社が敬遠する難しい案件を「飯のタネ」とし、顧客からは駆け込み寺のSIerとして認識される。
スウェーデンに本社を置く真空機器メーカー、ピアブの日本法人ピアブ・ジャパン(東京都葛飾区、吉江和幸社長)は9月から、真空ソフトグリッパー「piソフトグリップ」の小型バージョンの販売を開始した。
THKは7月7日、自律搬送ロボット「Lifter (リフター)付き SEED-Mover(シード・ムーバー)」を発売した。自律移動型の走行台車と昇降するリフターを組み合わせた。走行台車は狭い場所でも全方向への移動や、360度の旋回が可能だ。リフターは昇降に加え、前後の引き出し動作ができる。用途に合わせてカスタマイズができる。
ロボットは単体では使えず、周辺機器や他の設備などと組み合わせて初めて機能する。そのロボットシステムの構築を担うのがシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)だ。新型コロナウイルス禍で人との接触を避ける機運が高まり、自動化が改めて注目される中、SIerにも大きな期待がかかる。ここでは新規参入組も含め、4社の取り組みを紹介する。各社とも競合他社との差別化を目指し、独自技術を取り入れたロボットシステムの提案に力を注ぐ。
厨房用ロボットシステムなどを開発するチトセロボティクス(東京都台東区、西田亮介社長)は7月1日、毎月定額料金を支払うことでロボットシステムを利用できるサブスクリプション(サブスク)サービス「Chitose Robot Servises(チトセ・ロボット・サービシズ)」を開始した。
飲食店やホテルなどに協働ロボットシステムを提供するベンチャー企業のQBIT Robotics(キュービット・ロボティクス、東京都千代田区、中野浩也社長)は2020年5月25日、「コロナ対策ソリューション」を提供すると発表した。新型コロナウイルス感染症を予防するための自動化技術やサービスを幅広く取りそろえ、医療機関などに提案する。
古賀機械製作所(堺市美原区、古賀弘司社長)はもともと、自動車部品メーカー向けの専用機や自動機にロボットを組み込むことで、システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)としての歩みを始めた。古賀大輔専務は「専用機や自動機にうまくロボット組み込むことで、汎用性を持たせ、設計のスピードアップも図れる」と話す。ショールームや新工場などに見合う実績を作ったり、ベテランの技術を継承し若手を育成することなどが、今後の課題だ。
全国のシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)を紹介する本企画。今回取材した古賀機械製作所(堺市美原区、古賀弘司社長)は、ロボットの動作プログラムや周辺機器を作るにとどまらず、さまざまなノウハウや工夫が必要な搬送装置やストッカー、工作機械やプレス機まで含めた生産設備全体を製作する。特に金属加工に関わる分野を得意とする。設計から部品加工、組み立て、プログラミングまで自社で対応できるのが強みだ。2018年にショールームを開設、19年にはサテライトオフィスや新工場が完成し業容を拡大している。事業全体を統括する古賀大輔専務は「それら施設に見合う実績をこれから作っていきたい」と意気込む。
デンマークに本社を置くロボットハンドメーカーのOnRobot(オンロボット)は4月8日、不定形物を柔らかく包んで把持する電動グリッパー「Soft Gripper(ソフトグリッパー)」を発売した。シリコン製のカップが開閉する構造で、可搬質量は最大2.2kg。対象物の硬さや大きさに合わせて、形状や柔らかさの異なる3種類のカップを選べる。食品に接触する器具として米国と欧州の規格に適合し、食品や化粧品、医薬品の搬送に向く。割れやすい卵や、つぶれやすい果物も把持できる。
今回は、駅構内の立ち食いそば屋で活躍するロボットシステムを紹介する。狭いキッチン内で協働ロボットがそばをゆで、人が盛り付ける。人のすぐ横で使える協働ロボットのならではの使い方だ。「オペレーションをあまり変えず、駅併設の飲食店として最も古い業態の駅そばを変革できた」とJR東日本スタートアップ(東京都新宿区)の柴田裕社長社長は語る。