[注目製品PickUp! vol.28]目に見えるイノベーション【後編】/B&Rインダストリアルオートメーション「SuperTrak/ACOPOStrak」
「制御こそ、わが社一番の強み」
周辺の機械や機器まで全てを管理する
スーパートラックとアコポストラックの制御機器で管理できるのは、搬送台だけではない。周囲に設置する産業用ロボットや数値制御(NC)産業機械、プログラマブル・ロジック・コントローラー(PLC)、その先のセンサー類までを一括で制御できる。
同社は「アダプティブマシン」との考えを掲げる。「多品種少量生産が主流となった現代に必要なコンセプト」と小野社長は言う。
アダプティブマシンとはどういうものか? 一般に工場の制御系は、情報系ネットワークといった上位層から制御機器などの中間層、末端の機械やセンサーといくつかの層に分けて考える。層ごとに管理することで、異なる層ごとに行き交う情報データの流通量を制限して、ネットワーク全体のデータ処理量を抑える。
ところが、アダプティブマシンの考え方では、それらを層に分けず、同じ層で扱う。同じ層で扱えると、システム間の相互の連携を、より高速で柔軟にできる。適応性が高く(=アダプティブ)、多品種少量生産に役立つ工場のシステム系統を構築できる。
B&Rは高性能な産業用パソコンなどのハードウエアも、高度なモーション制御などのソフトウエアも得意。同じ層に集約しても処理しきれる能力を持つ。アダプティブマシンは同社ならではの提案といえる。
また、同社は操作しやすい制御盤や、「機械の目」となるカメラなど、制御システムの端に当たる製品も多く持つ。それらを全てまとめて管理できるため、デジタル上のシミュレーションと実際の工程を同期させる「デジタルツイン」技術の実装も簡単にできる。