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2020.09.25

連載

[注目製品PickUp! vol.28]目に見えるイノベーション【後編】/B&Rインダストリアルオートメーション「SuperTrak/ACOPOStrak」

B&Rインダストリアルオートメーション(B&R)のリニア搬送システム「SuperTrak(スーパートラック)」と「ACOPOStrak(アコポストラック)」。工場内物流を一変する製品だ。日本法人(横浜市西区)の小野雅史社長は「単なる搬送用途にのみ使うのはもったいない」と言う。その言葉の真意とは。

「制御こそ、わが社一番の強み」

 B&Rのリニア搬送システム、スーパートラックとアコポストラックは共に、高速に動く多数の搬送台を、個別に制御・管理できる。その分、全体の制御は複雑で、制御機器には高い応答性が求められる。

 小野社長は「それこそが、わが社の一番の強み」と強調する。同社は長年培ってきた産業用PCや制御技術での強みを生かせると判断し、2つのリニア搬送システムを開発した。

周辺の機械や機器まで全てを管理する

スーパートラックの下部にあるコントローラー

 スーパートラックとアコポストラックの制御機器で管理できるのは、搬送台だけではない。周囲に設置する産業用ロボットや数値制御(NC)産業機械、プログラマブル・ロジック・コントローラー(PLC)、その先のセンサー類までを一括で制御できる。
 同社は「アダプティブマシン」との考えを掲げる。「多品種少量生産が主流となった現代に必要なコンセプト」と小野社長は言う。

 アダプティブマシンとはどういうものか? 一般に工場の制御系は、情報系ネットワークといった上位層から制御機器などの中間層、末端の機械やセンサーといくつかの層に分けて考える。層ごとに管理することで、異なる層ごとに行き交う情報データの流通量を制限して、ネットワーク全体のデータ処理量を抑える。

 ところが、アダプティブマシンの考え方では、それらを層に分けず、同じ層で扱う。同じ層で扱えると、システム間の相互の連携を、より高速で柔軟にできる。適応性が高く(=アダプティブ)、多品種少量生産に役立つ工場のシステム系統を構築できる。

 B&Rは高性能な産業用パソコンなどのハードウエアも、高度なモーション制御などのソフトウエアも得意。同じ層に集約しても処理しきれる能力を持つ。アダプティブマシンは同社ならではの提案といえる。
 また、同社は操作しやすい制御盤や、「機械の目」となるカメラなど、制御システムの端に当たる製品も多く持つ。それらを全てまとめて管理できるため、デジタル上のシミュレーションと実際の工程を同期させる「デジタルツイン」技術の実装も簡単にできる。

  • B&Rの製品ラインアップ

  • 「機械の目」となるカメラもラインアップに追加した

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