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2019.01.24

連載

[SIerを訪ねてvol.4]地元企業のロボット普及の起点に【後編】/HCI

HCI(大阪府泉大津市、奥山剛旭社長)は、柔軟物のハンドリングと人工知能(AI)の自社開発が特徴のロボットシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)だ。働き手や後継者不足に悩む地元企業のロボット導入を支援するため、2018年9月に「HCIロボットセンター」を開設した。泉大津市を含む南大阪地域では初のロボットの常設展示施設。奥山社長は「ロボット技術を通じて南大阪、そして日本の製造業の活性化に貢献したい」と話す。

南大阪初のロボットセンター

 HCIが18年9月に開設したHCIロボットセンターでは、協働型ロボットを核に5つのロボットシステムを常設展示する。
 奥山社長は「南大阪には中小規模の町工場が集まっているが、ロボットの普及は進んでいなかった」と話す。これまで南大阪地域にはロボットを常設展示する施設はなかったので、「南大阪地域でのロボット普及の起点にしたい」と奥山社長は期待を寄せる。

ファナックの協働型ロボットも展示する

 センターは泉大津商工会議所の1階にある。センターの面積は60㎡と広くはないため、原則として予約制で見学を受け入れている。
 5つのロボットシステムに使われているロボットは、ファナック、安川電機、川崎重工業、三菱電機、デンソーウェーブと、HCIのパートナーメーカーの製品だ。「お客さまが自社に合うロボットシステムをイメージしやすいよう、できるだけ偏りなく最新のロボットを使用した」と話す。 

地元経済界も期待

台風被害で一度は延期したが、無事開設記念式典を開催

 同社はセンターの開設記念式典を2018年12月3日に開催した。本来、開設直後の9月5日に開催する予定だったが、日本各地で大きな被害をもたらした台風21号が接近し、停電の被害があったため延期していた。
 
 式典には120人が出席。近畿経済産業局地域経済部の奥山剛部長や南出賢一泉大津市長をはじめ、FA・ロボットシステムインテグレータ協会(SIer協会)の久保田和雄会長(三明機工社長)、地元選出の国会議員、市議会議員、泉大津市の幹部職員や商工会議所幹部らが出席。地元経済界の期待の高さがうかがえた。

 センターには開設から3カ月間で260人(式典来場者を含まず)が来場した。南大阪地域だけでなく、遠方では九州や東北地方、海外からの来客もあったという。「地元企業の支援につながるので商工会議所もPRに協力してくれており、地元企業からの相談も徐々に増えてきた。今後、地元企業の支援にますます力を入れたい」と奥山社長は話す。

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