[ロボットが活躍する現場vol.6]これぞ中小企業のロボットシステム! 協働ロボットとからくり装置でコストを抑制/ユタカ精工(1/3)
町工場に協働ロボットがある
過去には苦い経験も
ユタカ精工がユニバーサルロボットの「UR3」を1台導入したのは2018年春。工作機械と組み合わせ、加工物の付け替え作業に使う。
16年から導入を検討した。きっかけは、人手不足で加工の事前準備が工作機械の加工速度に追い付かず、機械が停止する時間が増えたこと。製造業の仲間に相談すると、ロボットの導入を勧められた。
豊岡社長は「ロボットは量産加工に使うもの」と考えており、すでに量産品がなかったため前向きになれなかった。さらに苦い経験もあった。
「量産品にも取り組んでいた10年ほど前までは、加工物の機械への着脱や搬送に、ローダーなど自動化機器を使っていた。しかし動作精度が低く加工物に傷が付く場合があり、自動化機器を使うことに品質管理面での不安があった」。その頃に量産から多品種少量加工へと転換。工場の移転もあり、使用をやめた経験があった。