「ロボット特区」にSIerやユーザー集う/相模原市など
「隠れSIer」の発掘が重要
相模原は、神奈川県が指定する「さがみロボット産業特区」の一つ。この特区には10市2町が指定されており、各自治体が介護ロボットや医療ロボットの商品化などを支援するが、相模原市は産業用ロボットの普及に力を入れる。「ロボットビジネスの聖地」を目標に掲げ、産業用ロボットの導入を促進するための独自の助成制度などを整備する。
産業用ロボットビジネスフォーラムも、産業用ロボットの普及促進とロボット産業の活性化のための取り組みの一つ。相模原市周辺のロボット導入を考える事業者や、ロボット関連事業を行う事業者間のネットワーク構築を目的として年に数回開催する。今回はロボット導入を考える企業やSIerなどから100人以上が参加した。
広島の先進事例を発表
今回はSIer協会のイベントも兼ねており、SIerが多く登壇した。
ヒロテック(広島市佐伯区、鵜野徳文社長)生産技術研究所の国枝潤係長は「ひろしま生産技術の会」の活動を紹介。県の欧州視察で見た現地の工場に触発され、同社を含む3社が2003年に立ち上げたのが同会だ。「24時間365日無人稼働の実現」を活動テーマに掲げ、年4回程度の定例会議に加えて工場視察などを続けてきた。
現在は、ロボットなどを駆使した高効率なものづくりの実現を目指す「アクションチーム」11社と、SIerやSIerを目指す企業からなる「システムチーム」15社の、計26社が加盟する。その他、研究機関や行政、金融などの17団体の支援メンバーがいる。
地元SIerは導入手順を説明
地元相模原市のSIer、JET(相模原市中央区)の遠藤法男社長は、「SIerの事例にみるロボットシステム導入のポイント」について紹介した。業界標準としてロボットシステムの導入手順を定めた「ロボット・システム・インテグレーション導入プロセス標準(RIPS)」を紹介し、RIPSに沿って「引き合い段階で導入を検討する企業は、導入目的や費用、スケジュールなどを明確にし、要件仕様としてまとめることが必要」と述べた。
(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)