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2020.06.16

インタビュー

「日に新た館」で最新物流ソリューションを見よう/ダイフク高光巧一館長(1/3)

「倉庫や工場内の物流を自動化したい」と考えたとき、まずは最新の物流システムについて情報収集することから始める人も多いだろう。とはいえ都合よく展示会が開催されているとは限らない。どうやって情報収集しようか――。そんな際は、ダイフクの滋賀事業所内にあり、立体自動倉庫やソーター(仕分け装置)、コンベヤーなど物流の最新設備を常設展示する「日に新た館」を利用できる。高光巧一館長は、一般製造業・流通業向けシステム事業の支店統括部長を経て2017年に10代目の館長に就任した。長年営業畑を歩み、製品の開発状況や導入実績、市場ニーズの動向にも精通した高光館長に、日に新た館の展示製品や運営方針など幅広く聞いた。

物流業界のトップを走る

日に新た館の外観

――まずは御社と「日に新た館」の概要について教えてください。
 ダイフクは、世界トップの売上高を誇る物流システムの総合メーカーです。国内納入シェアトップの立体自動倉庫、荷物を高速で搬送するコンベヤーから、自動車の組み立てライン、空港の手荷物搬送システムやセルフ手荷物チェックインシステムまで、あらゆる領域のマテリアルハンドリング(ものを移動させる作業、以下マテハン)に関する製品やソリューションを展開しています。ここ滋賀事業所内にある「日に新た館」は、延床面積約2万㎡の建物に約150種類、400点の物流システムや機器を展示し、国際会議場なども併設する総合展示場です。

――滋賀事業所の位置付けは。
 滋賀事業所は、開発から製造まで担うわが社のマザー工場です。工場が12棟あり、事務棟と日に新た館を合わせると14棟あります。120万㎡の敷地の一角には手付かずの自然があり、動植物の豊かな生態系が維持されています。2017年度には経済産業省による緑化優良工場等表彰で最高賞にあたる経済産業大臣賞を受賞したこともあります。

最新の物流システムを展示

今年2月に展示を開始した「ソ―ティングシャトル」

――日に新た館には、どんな製品を展示しているのでしょうか。
 立体自動倉庫やソーター、ピッキング、コンベヤー、無人搬送車(AGV)といった各種システムのほか、マテハンの要素技術まで、幅広く見ていただけます。1年に1、2点は最新システムに入れ替えており、館の名前にふさわしく最新の物流システムを展示しています。「日に新た」という言葉はもともとわが社の社是で、「日々進化」という意味合いがあります。

――注目の製品は。
 是非見てもらいたいのは、1階に展示しているケース自動倉庫「デュオシス」です。2台のスタッカークレーン(自動倉庫に荷物を入出庫するための装置)が一本の通路を高速ですれ違いながらケースを入出庫できるシステムです。スタッカークレーンの最高速度は毎分400mで、納入実績のあるシステムとしては世界最速です。加えて、今年2月に展示したばかりの「ソーティングシャトル」。2階で展示しています。多段式の小物の仕分け装置で、1時間当たり2400~2500個の仕分けをします。

――ダイフクの製品の強みや特徴とは。
 わが社の強みは、コンサルティングから開発、設計、製造、据え付け、メンテナンス、リニューアルまで一貫した体制を構築していることです。ハードウエアだけでなく制御技術なども自社開発しており、独自の技術があります。キーワードはアイドルタイム(無作業時間)。例えば、スタッカークレーンは走行と昇降は同時にできますが、荷物を載せるフォークは同時に出せません。ですがフォークを出すための信号をやり取りは走りながらするなど、工夫を積み重ねてアイドルタイムを短縮し、入出庫時間を短縮します。表向きの数字ではなく、実際の入出庫時間で比べてもらい、システム能力の早さで評価していただいています。

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