[気鋭のロボット研究者vol.14]異物を見つける「目」【前編】/名城大学 田崎豪准教授
自動運転の技術を応用
まずは単純な形状のつかみ方をAIに教え、形が少し違ってもつかめるようにする。しかしそれだけでは、うまくいかなかった。
ガムテープで区切った空間内に物を置き、範囲内の物を移動させる指示を出す。しかし当初は、うまく認識できず、張ってあるガムテープや、ロボット本体をつかもうとしたほど。AIが判断するには、余分な情報が多すぎた。
そこで役立ったのが自動運転の地図情報の技術だ。あらかじめ周囲の空間を地図情報としてAIに読み込ませることで、そのデータ以外の物を異物と認識できる。薄い紙幣でもしっかり見つけてつかめる。
「AIは万能ではない。だからAIが楽して認識できるようシステムを用意する必要がある」と田崎准教授は意気込む。
――後編に続く
(ロボットダイジェスト編集部 渡部隆寛)
田崎 豪(たさき・つよし)
2006年京都大学大学院情報学研究科知能情報学専攻修士課程修了、東芝入社。13年京都大学大学院情報学研究科博士後期課程を修了し、18年名城大学理工学部准教授。同年に開かれたロボットの国際的イベント(ワールドロボットサミット)で経済産業大臣賞とNEDO理事長賞を受賞。米国電気電子学会(IEEE)上級会員。1981年生まれの39歳。三重県出身。
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