製造業向けの自動化提案ぞくぞく/名古屋ものづくりワールド2021
延べ1万3670人が来場
簡単に走行ルートを設定できる搬送ロボ/THK
機械要素部品メーカーのTHKは、自律移動型搬送ロボット「SIGNAS(シグナス)」を展示した。
内蔵するカメラが「サインポスト」と呼ばれる目印を認識し、そのサインの種類に合わせて事前に設定した通りに前進したり、停止したりする。
一般的に普及している磁気テープ式の無人搬送車(AGV)は、走行ルートに合わせて磁気テープを床に敷設する必要があるが、シグナスはサインポストを設置するだけで簡単に走行ルートを設定できる。ルートを変更する時は、サインポストの位置を移動するだけでよい。
小間では広めのスペースを取り、シグナスの走行デモを披露した。担当者は「機械間の搬送作業の自動化に柔軟に対応できることから、中部市場でも製造業を中心に引き合いや問い合わせが多い」と話す。
ビジョンセンサーのプロトタイプを出展/ニコン
カメラで知られるニコンは、「次世代ロボットビジョンシステム」と銘打ったビジョンセンサーのプロトタイプを出展した。①高精度②高速③フレキシブル――の3つの特徴を持ち、会場ではそれらを生かしたデモを披露した。
中でも注目を集めたのが人気玩具「黒ひげ危機一髪」を使ったデモだった。回転するストッカーから剣を一本ずつ取り出し、同じく回転する樽(たる)の剣穴に差し込む一連の動作を、同社のビジョンセンサーとユニバーサルロボットの協働ロボットで自動化した。ストッカーも樽もそれぞれ回転しているため、剣を取り出す位置や差し込む位置が常に変わる。同社のビジョンセンサーはこうした「動く物体」も正確に認識し、ロボットをリアルタイムで制御できるのが特徴だ。
「今回開発したビジョンセンサーを使えば、ロボットは止まることなく作業を継続できる」と担当者は言う。