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2021.04.13

製造業向けの自動化提案ぞくぞく/名古屋ものづくりワールド2021

製造業の専門展「名古屋ものづくりワールド2021」が2021年4月7日~9日の3日間、名古屋市港区の「ポートメッセなごや」で開かれた。ロボットや自動化機器が数多く展示され、来場者の注目を集めた。ここでは出展者各社の自動化提案を紹介する。

延べ1万3670人が来場

7つの専門展で構成された名古屋ものづくりワールド2021

 「ものづくりワールド」は製造業の専門展で年に3回、東名阪でそれぞれ開かれる。
今回の名古屋ものづくりワールドは「第6回名古屋機械要素技術展」など7つの専門展で構成され、21年4月7日~9日の3日間で延べ1万3670人が来場した。

 アルコール消毒液を会場のいたるところに設置し、会場の入り口では検温をするなど新型コロナウイルス感染症対策を徹底した上で、名古屋市港区のポートメッセなごやで開催された。また、会期中にはオンライン上で出展者との商談ができるサービスも提供された。

 会場では、機械要素部品や3Dプリンター、工場設備などの製造業関連の部品や設備に加え、ロボットや自動化機器の展示も目立った。

簡単に走行ルートを設定できる搬送ロボ/THK

THKはシグナスの走行デモを披露

 機械要素部品メーカーのTHKは、自律移動型搬送ロボット「SIGNAS(シグナス)」を展示した。
 内蔵するカメラが「サインポスト」と呼ばれる目印を認識し、そのサインの種類に合わせて事前に設定した通りに前進したり、停止したりする。
 一般的に普及している磁気テープ式の無人搬送車(AGV)は、走行ルートに合わせて磁気テープを床に敷設する必要があるが、シグナスはサインポストを設置するだけで簡単に走行ルートを設定できる。ルートを変更する時は、サインポストの位置を移動するだけでよい。

 小間では広めのスペースを取り、シグナスの走行デモを披露した。担当者は「機械間の搬送作業の自動化に柔軟に対応できることから、中部市場でも製造業を中心に引き合いや問い合わせが多い」と話す。

ビジョンセンサーのプロトタイプを出展/ニコン

ニコンはビジョンセンサーの特徴を生かした「黒ひげ危機一髪」のデモを実施

 カメラで知られるニコンは、「次世代ロボットビジョンシステム」と銘打ったビジョンセンサーのプロトタイプを出展した。①高精度②高速③フレキシブル――の3つの特徴を持ち、会場ではそれらを生かしたデモを披露した。

 中でも注目を集めたのが人気玩具「黒ひげ危機一髪」を使ったデモだった。回転するストッカーから剣を一本ずつ取り出し、同じく回転する樽(たる)の剣穴に差し込む一連の動作を、同社のビジョンセンサーとユニバーサルロボットの協働ロボットで自動化した。ストッカーも樽もそれぞれ回転しているため、剣を取り出す位置や差し込む位置が常に変わる。同社のビジョンセンサーはこうした「動く物体」も正確に認識し、ロボットをリアルタイムで制御できるのが特徴だ。
 「今回開発したビジョンセンサーを使えば、ロボットは止まることなく作業を継続できる」と担当者は言う。

電子基板の検査と搬送を自動化/タツタ

タツタが紹介した自動化システム

 伝導機器や油空圧機器を販売するタツタ(大阪市西区、木下真吾社長)は電子基板の検査と搬送の自動化デモを披露し、従来は作業者が担当していた検査業務の自動化や無人化を提案した。

 小間では、三菱電機の協働ロボット「MELFA ASSISTA(メルファ・アシスタ)」と、韓国のVMECA(ブイメカ)の真空グリッパー、センスシングスジャパン(大阪市中央区、鹿島周太郎社長)の外観検査カメラ「MOQSEE(モクシー)」を組み合わせた自動化システムを展示。メルファ・アシスタが電子基板をモクシーの前まで搬送し、モクシーが電子基板の良否判定を実施した。

(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)

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