低コスト、簡単立ち上げの自動化を/ファナック 山口賢治 社長兼CEO
小型ロボの生産体制を強化
――コロナ禍で先行きが見通しにくいですが、足元の景況感はいかがですか。
地域別では、中国はよい状況が続いています。米国はそこそこで、日本や欧州は様子見感が強いです。東南アジアやインドも同様です。事業別では、CNC装置を扱うFA部門や各種加工機を扱うロボマシン部門は、工作機械の需要と直結しているため様子見感が強いです。ロボット部門は、自動車産業向けはよくないですが、一般産業向けの引き合いは悪くありません。
――需要変動の影響を受けやすい工作機械業界向けに重要部品を供給していますが、御社の生産戦略とは。
わが社は、汎用的な設備と自社商品のロボットを組み合わせた自動化システムが主流です。専用設備を使う考え方もありますが、コストや信頼性、メンテナンス性を考えると、汎用的な設備とロボットの組み合わせが中心になります。自動車メーカーなどと比べると生産量が少なく、品種も多いので専用設備を使うのは難しいです。また、新型コロナウイルス禍の影響で発注をギリギリまで待ち、納期が以前よりも短くなっています。短納期要求に応えるため、部品在庫は少し多めに持つよう意識しています。