SIerも多数出展、金沢の展示会に3万5000人超/MEX金沢2023
注目は自動化ソリューション
MEX金沢は日本海側で最大級の機械工業見本市で、金沢市の展示会場「石川県産業展示館」で毎年開催される。第59回を迎えた今回展のテーマは「技術と歩もう 未来への道」で、工作機械メーカーや周辺機器メーカー、地元の商社など179社・団体が出展した。
また、会期3日間で延べ3万5000人以上が来場。新型コロナウイルス禍が一服したタイミングで開催されただけに、家族連れや地元の学生の姿も目立った。
石川、福井、富山の北陸3県は有効求人倍率が全国でもトップクラスで、人手不足が特に深刻な地域だ。それだけに、今回展でも自動化や省人化のソリューションに大きな注目が集まった。
工作機械メーカーの高松機械工業は、AIでガラス瓶の種類を識別して自動で分別する装置を参考出展した。ベルトコンベヤーから流れてきた茶色と透明のガラス瓶をAI搭載のカメラで認識し、2種類の直交型のローダーがそれぞれの色のガラス瓶を分別して自動搬送する仕組みだ。従来は人手に頼っていたガラス瓶の分別作業を自動化できる。AIや画像認識技術に強みを持つPFU(石川県かほく市、村上清治社長)と、ガントリーローダーなど自動化機器の製作が得意な高松機械工業のノウハウを融合して専用装置を開発した。
協働ロボットも目立つ
会場では、安全柵が不要で人と同じ空間で作業ができる協働ロボットの展示も目立った。
工作機械メーカーの中村留精密工業(石川県白山市、中村匠吾社長)は、協働ロボットシステム「Plug One(プラグワン)」を披露。複合加工機「SC-100」と組み合わせ、ワーク着脱の自動化を提案した。プラグワンは専用のレバーを操作するだけで、ワークストッカーや複合加工機とワンタッチで接続できるのが最大の特徴だ。中村社長は「外部のSIerに頼ることなく、自分たちで簡単に自動化システムを構築できる」と強調する。
工作機械メーカーのエグロ(長野県岡谷市、江黒寛文社長)は鋼材商社の小松鋼機(石川県小松市、木村勉社長)のブースに内部出展し、数値制御旋盤「EBN-10EX」と協働ロボットシステムを組み合わせた自動化ソリューションを展示した。江黒社長は「協働ロボットシステムは後付けも可能で、既存顧客にも提案したい」と意気込む。