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2021.03.15

海浜幕張駅でロボットがそばをゆでる、2本腕モデルが初稼働/JR東日本スタートアップ、コネクテッドロボティクス

千葉市美浜区のJR海浜幕張駅併設のそば屋に、そばをゆでるロボットシステムが導入された。店員と協働し、ロボットがそばを調理する。工場などで使われる協働ロボットを応用したシステムだ。JR東日本の駅併設のそば店には、今後も続々とロボットが導入される見通しだ。

番重から取り出し、ゆでる

 JR東日本完全子会社のJR東日本スタートアップ(東京都港区、柴田裕社長)と調理ロボットベンチャー企業のコネクテッドロボティクス(東京都小金井市、沢登哲也最高経営責任者<CEO>)は3月10日、千葉市美浜区のJR海浜幕張駅改札外にあるそば屋「そばいちペリエ海浜幕張店」に「そばロボット」を導入したと発表した。

番重からそばを取り出す作業も自動化

 導入したのは、安全柵なしで使える協働ロボット2台からなる、新開発の「2本腕モデル」だ。片方が番重(食品用の樹脂コンテナ)からそばを取り出し、ゆで上げ用のざるに投入。もう一台がざるをゆで機に入れ、所定の時間ゆでる。
 
 ざるは3連で、1時間に最大で150食分(番重5段分)を調理できる。生麺をゆでるため、ゆで上げ後は麺の表面にぬめりがあるが、そのぬめりを洗い落とす作業や、最後に冷水で締める作業も自動でこなす。
 盛り付けには人手が必要だが、空になった番重の移動や、番重の麺の上に最初に載せてあるビニール袋の除去などもロボットが担う。番重は5段まで重ねてセットできる。

今後30店に導入拡大

奥から千葉ステーションビルの弭間俊則社長、JR東日本フーズの日野正夫社長、コネクテッドロボティクスの沢登哲也CEO、JR東日本スタートアップの柴田裕社長

 そばロボットの導入は、都内のJR東小金井駅構内のそば屋に続いて2件目。東小金井駅では、ゆでる作業だけの「1本腕モデル」を昨年3月に導入した。東小金井駅で省人化などの効果が確認でき、運用中のトラブルもほとんどなかったため、駅の乗降客数がより多く、そば店の利用者も多い海浜幕張駅に導入を決めた。

 駅の飲食店を運営するJR東日本フーズ(東京都台東区)の日野正夫社長は、「スタッフからは『ゆで作業をロボットがしてくれることで、お客さまに気配りをする余裕ができた』との声があった」と語った。
 今後もロボット設置店舗を増やし、2026年までにJRフーズが運営する駅そば店30店にそばロボットを導入する計画だ。

ロボットがゆでたそば。味や品質は人がゆでたそばと変わらない

 また、そばロボットはそばだけでなく、ラーメンやパスタの調理にも活用できる。コネクテッドロボティクスでは展示会などに出展し、JR東日本グループ以外の顧客も開拓する方針だ。
 「2月の展示会で、そば屋をイメージしたブースで2本腕タイプなどを展示したところ、多くの方に興味を持っていただいた」と佐藤泰樹取締役最高執行責任者(COO)は話す。

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)

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