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2021.08.24

3社連携で協働ロボ普及へ、検証施設を開所/バイナス

システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)のバイナス(愛知県稲沢市、渡辺亙社長)は8月2日、協働ロボットの検証施設「協働ロボットセレクションセンター」を開所した。センターでは、最適な協働ロボットの選定から全体のシステム構想、具体的な検証までをワンストップで提供する。センターの設立に伴い、技術商社の立花エレテックや、協働ロボットなどのレンタルサービスを手掛けるオリックス・レンテック(東京都品川区、細川展久社長)とも協業。3社連携で協働ロボットの普及促進を目指す。

デモ施設とは違う

協働ロボットセレクションセンターでは協働ロボットの比較検討やシステムの検証ができる

 バイナスが8月2日に開所した協働ロボットセレクションセンターでは、最適な協働ロボットの選定をはじめ、周辺機器も含めた全体のシステム構想やリスクアセスメント(リスクの分析と対処)、システムの具体的な検証や実証、ロボットの操作教育などのソリューションをワンストップで提供する。
 協働ロボットだけではなく、協働ロボットと組み合わせて使用する自律搬送ロボットの比較検討も可能だ。

 センターは本社の第2工場内にあり、延べ床面積は380㎡。投資額は明らかにしていない。全部で5つの部屋があり、各部屋で協働ロボットや周辺機器の比較検討や、システムの具体的な検証などができる。開所日には記者会見も開き、報道陣にセンターを公開した。

 渡辺社長は「協働ロボットのデモができる施設は数多くあるが、わが社のセンターはこうした施設とは狙いが違う。実際の生産システムとして導入したいと真剣に考える顧客に対し、どの協働ロボットが最も合うかを比較検討できる場にしたい。わが社はこの10年でさまざまな業種に産業用ロボットのシステムを納入してきたが、そこで培ったノウハウを発揮しながら、協働ロボットが顧客の現場でどう役立つかを一緒に考えたい」と話す。

  • ロボットハンドの検証作業の様子

  • 人工知能(AI)技術の研究開発にも取り組む

22年末までに50社

安全柵なしで人と一緒に作業できる協働ロボット

 安全柵なしで人と一緒に作業できる協働ロボットは、使い勝手の良さや柔軟性の高さから、さまざまな業界で大きな注目を集めている。しかし、本体価格の高さや動作スピードの遅さ、最大可搬質量の小ささなどのデメリットもあり、通常の産業用ロボットと同じように使ってもメリットは小さい。

 そこで、協働ロボットならではの活用ノウハウを提供し、製品やシステムの検証を通して導入をさらに加速させるため、センターの開設に踏み切った。22年末までに50社ほどからの受注を目指すという。
 また、センターの設立に合わせ、立花エレテックやオリックス・レンテックとも協業した。

今回協業した3社。左から立花エレテックの山口均取締役専務執行役員、バイナスの渡辺亙社長、オリックス・レンテックの小林剛輝事業戦略本部副本部長

 立花エレテックは技術商社として幅広い顧客とつながりがあるのが強み。協働ロボットの導入を検討する顧客に対してセンターの利用を呼び掛け、さまざまな業界に普及促進を図る。FAシステム事業本部長の山口均取締役専務執行役員は「3社が協業してセンターを生かし、協働ロボット導入時の課題を一つずつ解決したい」と語る。

 一方、オリックス・レンテックは16年からロボットレンタルサービス「RoboRen(ロボレン)」を提供する。現在は協働ロボットや自律搬送ロボットなど16メーカー39機種を取り扱っており、センターでシステムを検証する際にバイナスに最新の協働ロボットを貸与する役割を担う。顧客にも必要に応じて、レンタルサービスを提供する考えだ。
 小林剛輝事業戦略本部副本部長は「バイナスと立花エレテックが持つ顧客基盤やノウハウにわが社のレンタルサービスも組み合わせ、協働ロボット導入のハードルを下げたい」と述べる。

(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)

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