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2021.11.12

薄型モーターなど発売、ロボット向けを強化/シナノケンシ

ASPINA(アスピナ)ブランドで展開するシナノケンシ(長野県上田市、金子元昭社長)は11月9日、協働ロボットなどの関節部に適した「関節用薄型中空ブラシレスモータ」と移動式ロボットなどに使う「車輪駆動用薄型インホイールモータ」を開発したと発表した。「今後もラインアップの拡充は進めるが、ロボット向けのキーデバイス(鍵となる機器)をひと通りそろえることができた」とALビジネスユニット長の伊東宏明執行役員は言う。

従来品の50%まで薄型化

ロボットの関節用モーター(右)とインホイールモーター

 小型モーターを製造、販売するシナノケンシは、モーターの薄型化技術を生かした2製品を開発した。高密度巻線技術と、磁束をシミュレーションして最適化した磁気回路設計により、薄くても十分なトルクの確保を可能にした。

関節をコンパクトにできる

 関節用モーターは、従来比約50%の薄型化を実現した。これは業界トップクラスという。
 中心に各種ケーブルやエアチューブなどを通せる中空構造で、中空径が25.4mmと大きいのが特徴だ。定格出力50W、100W、150Wの3機種をそろえる。

目と手と関節と足がそろった

移動式ロボットや無人搬送車などに使えるインホイールモーター

 インホイールモーターは、モーターだけでなく減速機と電磁ブレーキも車輪に内蔵できる。直径150mmと200mmをラインアップする。耐荷重は1つ当たり150mmのタイプで180kg、200mmのタイプで250kg。
 モーターを車輪に内蔵することで、バッテリーなど他の構成部品の配置の自由度を高められる。

「ロボット向けのキーデバイスがそろった」と話す伊東宏明執行役員(左)と事業企画部の白木雄也氏 

 両製品とも11月15日に受注を開始する。年間で国内だけでインホイールモーターは400個、モーターは200個以上の販売を狙う。
 「ロボットハンドと、移動式ロボットが周囲を認識するためのセンサー用のモーターは既に販売している。今後も製品の拡充は進めるが、関節用モーターとインホイールモーターを発売することで、ロボット向けのキーデバイスをひと通りそろえることができた」と伊東宏明執行役員は言う。

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)


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