高校生の挑戦始まる! 競技会のキックオフ講習会を開催/愛知県
SIerの人材拡充に
高校生ロボットSIリーグは、2021年度に愛知県で開催したロボットの国際大会「ワールド・ロボット・サミット2020」や「ロボカップ・アジア・パシフィック2021あいち」の継承事業。愛知県内の8つの工科高校と栃木県の工業高校の計9校のチームが参加し、今年12月に開催される成果披露イベントに向けて約8カ月かけて競技課題に取り組む。
課題を通じてロボットシステムの構築に求められる技術を高校生に習得してもらうと同時に、システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)の業務への理解促進を図ってSIer業界の人材拡充につなげたい考えだ。
競技課題は①デンソーウェーブ(愛知県阿久比町、相良隆義社長)の協働ロボット「COBOTTA(コボッタ)」を使ってボールペンを組み立てるシステムを作る「デンソーウェーブ部門」②FUJIの小型垂直多関節ロボットで菓子の箱詰めを自動化する「FUJI部門」③三菱電機の垂直多関節ロボットでギア部品を組み立てるシステムを構築する「三菱電機部門」――の3つ。
参加チームにはどれか一つの競技課題が割り振られると共に、ロボットシステム構築の指導や助言を担うSIerも1社サポート役に就く。
大村知事が激励
これから約8カ月にわたる競技会の最初の活動として、主催者の愛知県は4月16日にダイドーロボット館でキックオフ講習会を開催した。参加チームの高校生やSIerなどから約70人が参加した。
まずは主催者を代表して愛知県の大村秀章知事があいさつし「成果披露イベントまでの約8カ月間で仲間と研鑽(さん)を積み、技術のレベルを高めて、大会を盛り上げてもらえれば」と高校生を激励した。
また、FA・ロボットシステムインテグレータ協会から小平紀生参与も登壇し、産業用ロボットや協働ロボットの基礎知識、市場規模、SIerの役割などを詳しく解説。その後、現場の改善提案を専門とするコンサルタントの林芳樹氏が生産技術の概要を紹介した。
労働安全衛生法などの関係法令の説明会やダイドーロボット館の見学会も催された。
成果披露イベントは12月10日と11日に愛知県常滑市の展示会場「アイチ・スカイ・エキスポ」で開催される。審査員が各チームのロボットシステムを評価し、優秀なチームを表彰する。
(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)