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2022.08.05

[活躍するロボジョvol.13]産業集積地で奮闘するテックウーマン/山善 石橋和さん

ロボット業界で活躍する女性にスポットを当てた連載「活躍するロボジョ」。第13回は大手商社の山善のトータル・ファクトリー・ソリューション(TFS)支社の名古屋支店で、協働ロボットを使った自動化システムの提案営業を担当する石橋和(あい)さんを紹介する。「担当の中部エリアはお客さまご自身が自動化システムを構築することが多く、自動化の経験値が高い。お客さまのニーズに応えるために、情報の引き出しを1つでも多く持つことが必要不可欠です」と話す。

産業集積地ならではの特徴

 TFS支社の名古屋支店に所属する入社3年目の石橋さんは、中部エリアで協働ロボットや周辺機器を使った自動化システムを提案する。
 石橋さんは、台湾の協働ロボットメーカーのテックマンロボット製品の営業を担当する女性社員で組んだ営業チーム「テックウーマン」の一員として、PRや販売活動をする。「テックマンロボットの協働ロボットはティーチング(教示)がしやすく、ロボットを初めて導入するお客さまでも扱いやすいのが強みです」と石橋さんは語る。

「中部エリアは大手メーカーが多く、設計に精通するお客さまが多い」と石橋さん

 自動車産業をはじめとした産業集積地である中部エリアならではの特徴があるという。「中部エリアのお客さまは、ご自身で自動化システムを設計することが多いです。私が担当する案件のうち、テックマンロボットを用いた案件に関してこちらでシステムを提案するのは2割程度」と石橋さん。「このような特徴があるのは中部エリアだけらしく、他のエリアに配属された同期入社の社員にこのことを話すと驚かれます」と語る。

コロナ流行の渦中で入社

石橋さんは動画内では「ばっしー」が愛称(提供)

 「大学では経済学部でマーケティングを専攻したため、入社するまでロボットの知識は全くありませんでした」と話す。ロボットに触れる機会はなかったが、この道に至るきっかけはあった。「講義で将来性の高い業界で働く重要性を学ぶ機会があり、該当する業界を調べる中でロボット業界と出会いました」と振り返る。

 石橋さんが山善に入社したのは2020年4月。約2カ月の研修を経て自動化設備の拡販を担うFAE(ファクトリー・オートメーション・アンド・エンジニアリング)支社(現TFS支社)に配属となった。「大学生時代に学園祭の実行委員をしており、人と話すことや企画の提案に楽しみを感じたため、営業を志望しました」と話す。

 しかし、入社当時は新型コロナウイルス禍の真っただ中。緊急事態宣言が発令されており、客先へ訪問する営業活動ができなかった。コロナ禍で身動きが取れない期間は、テックウーマンの一員として動画投稿サイトユーチューブの動画や、ウェブセミナーを企画し、製品のPR活動に励んだ。他にも、ロボットに関するウェブセミナーや展示会に積極的に参加し、情報収集や周辺機器メーカー、ロボットのシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)との関係性の構築に努めた。

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