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2024.02.09

連載

[注目製品PickUp! vol.62]小型の協働ロボットでも高く積み上げられる/リナック「ELEVATE」

デンマークに本社を構える電動シリンダーメーカー、リナックの日本法人(横浜市港北区、佐藤嘉貢社長)は、協働ロボットの可動範囲を広げる「ELEVATE(エレベート)」を昨年発売した。上下に昇降することで、その上部に設置した協働ロボットの動作範囲を広げられる。同社は長年、医療用ベッドや昇降デスクなどに使う電動シリンダーを開発してきた。そのノウハウを生かし、ELEVATEで生産現場のさらなる省人化や作業の効率化に貢献する。

縦方向の動作範囲を伸ばす

 電動シリンダーを得意とするリナックが昨年6月に発売したELEVATEは、協働ロボットの可動範囲を拡大する製品だ。上下に伸縮する昇降装置で、その上部に協働ロボットを設置することで、ロボット単体では届かない高さまで動作範囲を広げられる。

 営業部の小野真義マネージャーは「例えばパレタイジングを自動化する際に、協働ロボット単体では段ボール箱を3段まで積めるとする。そこにELEVATEを組み合わせると4段以上積めるようになり、スペースの有効活用や作業効率の向上につながる」と語る。

「ELEVATE」は小型協働ロボットの動作範囲を拡大できる

 同製品のストロークは最大で900mm。小野マネージャーは「小型の協働ロボットは、リーチがそれほど長くない。リーチの長い大型機種を導入しようとすると、小回りが利きづらく、コストも上がる。ELEVATEを導入すれば、それまで現場で使っていた小型の協働ロボットの可動範囲を拡大でき、コンベヤーとパレットなど高低差の大きい移載も自動化できる」と話す。

上部空間を活用

ELEVATEは伸縮速度が速く、作業効率を高められる

 小野マネージャーは同製品の強みを、速度や耐久性と説明する。「伸縮速度は最大で秒速100mm。偏荷重に強く重量物のパレタイジングに適しており、耐用回数にも優れるため長く使い続けられる」と自信をみせる。

 同社は「ELEVATE Easy(イージー)」と「ELEVATE Pro(プロ)」、「ELEVATE Modbus(モドバス)」の3つのラインアップを持つ。
 ELEVATE Easyは設定した位置まで、中間で停止することなく伸縮する。ELEVATE Proは伸縮速度を制御でき、例えば重量物を扱う際、ロボットがつかむ時や離す時だけ速度を落とすといったことができる。ELEVATE Modbusは、Modbus(モドバス)制御に対応しており、速度や停止位置を細かく設定できるなど自由度が高い。

 ELEVATEと組み合わせられるロボットは、ユニバーサルロボット(UR)とテックマンロボット、斗山(ドゥーサン)ロボティクスの製品。UR公認の周辺機器「UR+(プラス)」の認証を受けているほか、テックマンロボットのプログラミング用ソフトウエア「TM Flow(TMフロー)」にも対応しており、これらの製品と組み合わせやすい。

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