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2023.03.24

連載

[活躍するロボジョvol.18]自動化する理由をしっかりと聞く/IDECファクトリーソリューションズ 赤塚七海さん

ロボット業界で活躍する女性社員にスポットを当てた連載企画「活躍するロボジョ」。18回目は、IDECファクトリーソリューションズ(愛知県一宮市、武仲清貴社長)で営業を担当する赤塚七海さんを紹介する。異業種・異職種からの「越境転職」で営業の道に進んだ赤塚さん。常に5~6件ほどの案件を抱え、さまざまな業種やエリアの顧客をフォローする日々を送る。商談時には「お客さまが自動化を検討している理由や、その裏側にある課題をしっかりと聞くよう意識している」という。

案件は常に5~6件ほど

 IDECファクトリーソリューションズは協働ロボットに特化したシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)。入社3年目を迎えた赤塚七海さんは、オートメーション事業部営業部の営業1グループに所属する。赤塚さんが一番の若手だ。

 営業担当として自動化を検討している顧客から要望や仕様をヒアリングし、上司や技術チームと協力しながら最適な協働ロボットシステムを提案する。
 「お客さまが自動化を検討している理由や、その裏側にある課題をしっかりと聞くよう意識しています。また、協働ロボットを導入する工程で、実際に作業をしているオペレーターの様子や声などもできる限り見聞きしたいですね」と快活に話す。

営業1グループに所属する赤塚七海さん

 同社は協働ロボットの情報を発信するウェブサイト「協働ロボット.com」を運営する他、ウェブセミナーや対面型のセミナーを積極的に開催している。
 ウェブサイトやセミナー経由で引き合いや問い合わせが来た新規顧客に対し、赤塚さんら営業1グループのメンバーが窓口としてフォローする。顧客の業種やエリアはさまざまで、「常に5~6件ほどの案件を抱えています」と赤塚さんは言う。

 同社の営業スタイルは、顧客の要望に応じてサービスを提供する「プル型」がメイン。そのため、顧客の興味を引くコンテンツをいかに増やすかが重要で、顧客と直接的に接する営業部門とコンテンツを企画するマーケティング部門が緊密に連携する必要がある。これに対し、マーケティング・DX(デジタルトランスフォーメーション)推進部の佐野真侑美さんは「赤塚が営業とマーケティングの橋渡し役をしてくれるからこそ、部署間の連携がうまく取れる」と述べる。

ブログを8回にわたって掲載

ショールームの展示機を操作する赤塚さん

 赤塚さんは外資系企業から転職し、知り合いのつてをたどって2021年1月にIDECファクトリーソリューションズに入社した。
 前職はロボット業界でも、ましてや営業職でもなかった。異業種・異職種からの「越境転職」だったが、「人とコミュニケーションを取るのが好きなので、伸び伸びと仕事ができていると思います。文系出身でロボットとはこれまで縁がありませんでしたが、入社してから『意外と機械やロボットが好きなんだな』ということが分かりました」と語る。

 最初のうちは商談の内容についていけないこともあったが、社内の先輩やエンジニアから教えてもらったり、インターネットで調べたりしてロボットの専門知識を少しずつ身に付けた。

少しずつロボットの専門知識を身に付けた

 また、協働ロボット.comの一つのコンテンツとして「協働ロボット新人営業・奮闘記」と題したブログを8回にわたって掲載。自身の業務経験で学んだ内容をブログという形でアウトプットし、知識の定着につなげた。
 「最近はお客さまの話の内容が理解できるようになり、技術チームと一緒に『こういう提案ができるのではないか』と検討する機会も増えました。もっと経験を積んで技術的な知識を身に付け、お客さまから頼られる営業になりたいです」と赤塚さんは意気込む。

 赤塚さんは米国のシアトルに留学した経験があり、英語が堪能だ。そのため、通常の営業の業務に加え、現在は同社が販売代理店を務める海外の周辺機器メーカーとのやり取りも一部担当している。「海外メーカーからじかに仕入れた情報も自分の知識として蓄積し、今後の営業に生かしたいです」と語る。

(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)

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