生産現場のロボット化と自動化を支援するウェブマガジン

2024.03.27

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エプソンはさまざまなソリューションで生産現場の難題解決を共に目指す Vol.6

エプソンは『省・小・精』の技術を起点に、常に新たな価値創造へ取り組み、顧客の期待に応えることに挑戦し続けている。いま特に力を入れるのが、食品産業の自動化だ。食品産業は扱う対象物が軟らかく形状も一定でないなどの課題があり、自動化がまだまだ進んでいない。しかし人手不足は深刻で、自動化が強く求められている産業の一つだ。エプソンは独自技術とパートナーとの共創により、難易度の高い食品産業の自動化に挑む。

食品産業の自動化に向けたエプソンのソリューション

エプソンも参画した経済産業省の事業で開発した惣菜盛り付けロボット

 食品産業の自動化は難易度が高い。食品は形状やサイズが一定ではないものが大半だ。強い力をかけると崩れてしまうし、衛生面への配慮も必要になる。比較的食品は単価も高くないため、利益を出せるよう高い生産性も必須だ。

 食品工場はパート従業員や外国人労働者に頼る現場が多く、労働集約型の産業といわれ近年は人手の確保に苦労している企業が多い。

 こうしたニーズに応えるべく、エプソンでは食品産業の自動化に向けたソリューション提案に力を入れている。食品産業の自動化を推進する経済産業省の事業にも参画しているが(詳細はこちら)、その他にもさまざまなパートナー企業と共に食品産業向けにソリューションを提案している。

サンドイッチのカットと袋詰め工程の自動化

セイコーフューチャークリエーションが開発した「サンドイッチ袋詰め装置」

 エプソンとの共創により食品産業の開拓に取り組む企業の一つが、セイコーフューチャークリエーション(千葉県松戸市)だ。
 セイコーグループのFAシステム事業部門や生産技術部門などを2022年に統合した企業で、グループ内で新規事業や生産技術の開発などを担う。社内向け設備でもロボットを使うが、システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)としてロボットを組み込んだ自動化システムの外販も手掛ける。
 
 同社が食品製造業に対して提案するソリューションは、コンビニなどで売られるサンドイッチ用の「サンドイッチ袋詰め装置」だ。正方形のサンドイッチを対角線で切って三角形にし、袋詰めする一連の工程を自動化する。

「垂直多関節ロボットによるサンドイッチのカット&袋詰め工程の自動化」(エプソン販売公式youtubeチャンネル)

 サンドイッチ袋詰め装置では、エプソンの垂直多関節ロボット(Cシリーズ)を天吊りで4台採用しており、サンドイッチのカット工程から袋詰め工程までを自動化している。エプソンのロボットは軽量、省スペースが特長。そのため、製造現場のスペースが限られている工場に多く導入され今回もその特長が生かされた実例である。
 具体的にはベルトコンベヤーから流れてきた四角いサンドイッチを、1台のロボットが可動式まな板にセットする。次に2台のロボットを使い、専用ロボットハンドでサンドイッチを挟んで固定し、超音波カッターでカットして三角形にする。4台目で三角形の袋をセットし、切られたサンドイッチを袋に投入する。

高い作業品質を確保しながら、1時間に2000個近いサンドイッチを袋詰めできる

 一般的にこうしたシステムを作る場合、カット装置と袋に入れる装置は別々で、切った後につかんで袋詰めすることが多い。その場合、不安定な三角形のサンドイッチが崩れたり傾くことがあった。
 同社の装置ではその2工程を一体化し、ロボットハンドでつかんだまま切り、そのまま袋に投入することで、サンドイッチの崩れを防止する。垂直多関節ロボットを使うことで、袋にマヨネーズが付きにくい複雑な軌道でサンドイッチを袋に投入でき、見栄えも良くなる。最大約2000食のサンドイッチ生産能力が有り、既に導入済みのお客さまからは「省人化できた」、「作業負荷が軽減した」といった評価を得ている。

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