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2024.09.20

[活躍するロボジョvol.32]基本的なルールはしっかりと!/スターテクノ 鷲見真由子さん

ロボット業界で活躍する女性にスポットを当てた連載「活躍するロボジョ」。第32回は、自動車業界向けにロボットシステムを提供するシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)のスターテクノ(愛知県岩倉市、塩谷陽一社長)で、ロボットのティーチング(教示)からシステムの据え付け、アフターサポートまでを担当する鷲見真由子さんを紹介する。高校卒業後はマスコミ関連の専門学校に進んだが、会社の雰囲気や説明会での対応に魅力を感じて同社への入社を決めた。そんな鷲見さんは働く中で、「基本的なルールをしっかりと守ること」を大切にしている。

初の海外出張

 スターテクノの鷲見さんはCS(カスタマーサービス)部営業技術課1G(グループ)に所属する。顧客の仕様に合わせてロボットをティーチングし、自社工場で組み立てた自動化設備を実際に稼働できる状態にするのが主な担当業務だ。また、納入先への自動化設備の据え付けや、納入後のトラブル対応や改造の依頼などもこなす。

 「自分がティーチングしたロボットを顧客に見せて、『きれいに動くね』『上手くできているね』と褒められると、うれしいです」と鷲見さんは語る。

顧客の仕様に合わせてロボットをティーチング(教示)する鷲見さん

 また、鷲見さんが所属するCS部営業技術課は海外出張も多く、中には1年の半分以上を海外で過ごす課員もいるという。鷲見さん自身も今年4月には米国に出張し、自動車のバンパーを加工するロボットシステムを据え付けた。
 「初の海外出張で緊張しました。言語が違うので現地の人への操作教育が難しく、『Google(グーグル)翻訳』の力を借りてなんとか乗り切りました」と話す鷲見さんは、米国出張を通じてコミュニケーションの重要性を再認識したという。
 「日本では当たり前に通じる言葉が、海外では通じません。その分、身ぶり手ぶりなどを駆使しなければならず、情報の伝え方について改めて学べました」と振り返る。

会社の雰囲気に引かれた

「スターテクノの雰囲気や社員の人柄に引かれ、ロボット業界への道を選びました」と話す鷲見さん

 鷲見さんは「学生時代は、ロボットとは畑違いの分野を専攻していました」と述べる。高校卒業後は地元のマスコミ関連の専門学校に入学し、芸能マネジメントについて学んだ。「『自分が楽しめそう』との理由で芸能マネジメントを選びました」と言う。

 同社に入社したのは、自宅の近くで会社説明会が開催されるとの案内を受けたのがきっかけだった。当初、鷲見さんは人生で初めて参加する会社説明会にとても緊張していた。しかし、いざ参加してみると、非常にフランクで親しみやすい会社の雰囲気に驚いたという。「専門用語や難しい内容を『分かからなくて当たり前』と丁寧に説明する姿勢に魅力を感じました」と述べる。
 マスコミ関連の会社も受けていたが、最終的にはスターテクノの雰囲気や社員の人柄に引かれ、ロボット業界への道を選んだ。

安全第一を順守する

自動化設備に組み込む双腕ロボットと共に

 鷲見さんは働く中で「基本的なルールをしっかりと守ること」を大切にしている。具体的には「工場内の横断歩道を斜めに渡らない」「指差呼称を確実にする」など基本的なマナーやルールを徹底する。自社だけでなく、顧客の工場でも自動化設備の搬入中は安全第一を順守する。
 「ルールを守らない人を見ると『本当にそれで良いのか』と違和感を抱きます。だからこそ、自分はルールをしっかりと守る。もしルールを破ってしまうと、会社の評判に悪影響を与える可能性もありますから」と語る。

 営業部営業課SIerグループ広報担当の西岡郁音さんは、そんな鷲見さんを「非常に真面目で、正しいことをしっかりと主張できる人」と評価する。「一緒に仕事をする中で彼女の真面目さやルールを守る姿勢を強く感じました。展示会では、展示物の搬入や設置などにも真剣に取り組んでいます。周りに明るく接しつつ気配りも欠かさない、頼りになる存在です」とも話す。

仕事を全力で楽しむ

「今後も今の部署で仕事を全力で楽しみたいです」と話す鷲見さん

 鷲見さんは今後のキャリアについて、「今の部署で仕事を全力で楽しみたいと考えています。私は自動車が好きなので、自分が関わった自動化設備によって製造された自動車が街中を走っているのを見ると、やりがいを感じます」と語る。

 また、今年4月からは自社の社内報を作成する社内報委員としても活動する。同社を含むグループ各社から複数人がそれぞれ自社の社内報委員に選出され、自社の部署紹介をはじめ展示会やイベントのリポート、避難訓練などの情報をまとめた社内報を作成する。「マスコミ関連の専門学校で学んだ経験もしっかりと業務に生かせています」と笑う。
                     (ロボットダイジェスト編集部 山中寛貴)

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