[ショールーム探訪vol.29]三品産業に自動化を/ブイ・アール・テクノセンター「岐阜県ロボットSIセンター」
第三セクターが運営するショールーム
「説明ボード」に工夫
センターに入ると、窓から自然光がふんだんに差し込むからか、明るい印象を受けた。完全予約制でセンター内には打ち合わせスペースもあるため、展示されたシステムを前に同社の担当者とじっくり話せるのもポイントだ。
現在は5社のロボットメーカーの協働ロボットを使った5種類の自動化システムを展示している。入り口から見て左手から順番に、「ボトルのふた閉め工程」「ボトルのラベル検査工程」「アルミ袋のラベル検査工程」「箱の組み立て工程」「箱詰め工程」を担うロボットシステムが並ぶ。製品の組み立てからラベル検査、箱詰めまでの工程別に自動化システムを展示することで、工程ごとにロボットでどう自動化すればいいかをイメージしやすいように工夫した。
同社が来場者のメインターゲットに据えるのは、三品産業をはじめとしたロボットの未活用領域の企業だ。高橋次長は「製造業の中でも自動化が特に進んでいない三品産業に焦点を当て、ロボットシステムを構築した」と話す。
ロボットに不慣れな来場者のために、各ロボットシステムの横に設置した説明ボードにも工夫を凝らした。システムの構築を担ったシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)をボードの目立つ箇所に記載したのもその一つだ。
高橋次長は「ロボットは『買って終わり』ではない。それぞれの製造現場が抱える課題を言語化した上で、SIerと一緒にロボットシステムを作り上げていくものだと来場者に説明している」と語る。
また、自社開発した生産稼働状況管理システム「MARS(マーズ)」も展示する。複数のメーカーのロボットでも、一つのユーザーインターフェース(UI、機器やソフトウエアの操作画面)で稼働状況を管理できるのが特徴だ。センター内に設置されたモニターでそれぞれのロボットシステムの稼働状況を確認できる。