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2024.10.11

大阪府、奈良県の学生たちがロボットの活用アイデアをぶつけあう/日本ロボットシステムインテグレータ協会

ロボットアイデア甲子園の大阪大会が10月5日、大阪府泉大津市の泉大津商工会議所で開催された。ロボットアイデア甲子園は日本ロボットシステムインタグレータ協会(SIer協会、会長・久保田和雄三明機工社長)が主催するイベントで、高校や専門学校の学生がロボット活用のアイデアを競う。大阪大会では、書面審査を通過した6校10名がプレゼンテーションした。

学生が産ロボの活用法を考える

HCI奥山浩司社長(写真奥)の掛け声に合わせて参加者が拳を挙げる光景は恒例になりつつある

 ロボットアイデア甲子園は学生たちがロボットを実際に見て感じた上で、産業用ロボットの新たな活用方法について考えてもらうことを趣旨とした大会で、今年で5回目の開催となる。
 大阪大会では、7月と8月に開催されたセミナー&見学会でロボットを活用したアイデアを募集し、その中から選ばれた大阪府と奈良県の学生10名が10月5日に泉大津商工会議所でアイデアをプレゼンした。

 大阪大会の実行委員を務めるHCI(大阪府泉大津市)の奥山浩司社長は開会式で「全国大会への切符を勝ち取るため、精一杯力強く発表してほしい」とエールを送った。

最優秀賞は自動調理ロボット

学生たちがロボットの新たな活用方法をプレゼンした

 学生たちは自動入浴介助ロボや鉄道の脱線防止装置など多種多様なロボットの活用方法を発表した。手書きのデザイン図や自動生成AI(人工知能)を使った使用イメージ図など学生ごとに提案の個性が出た。

 ロボット関連企業の技術者や大学のロボット研究者による審査を経て、たこ焼きやお好み焼きなどをロボットアームで自動調理する「ヤタリマン」を提案した太成学院大学高等学校1年生の若山湊大さんが最優秀賞を受賞した。
 「まさか自分が最優秀賞を取れるとは思わなかった。このような場を設けてくれた方々に感謝したい」と若山さんは驚きと感謝を口にした。

12月に東京都で全国大会

最優秀賞に輝いた太成学院大学高等学校1年生の若山湊大さん(左)と最優秀賞を授与した南出賢一泉大津市長

 大阪大会審査委員長を務めた大阪工業大学基礎工学部の野田哲男教授は「それぞれの参加者の差は非常にわずかで、団子状態の激戦だった。プレゼンの練習にもっと時間を割けばこの団子状態から抜け出せる」と大阪大会を総括した。

 HCIと連携してロボットの活用に取り組む泉大津市の南出賢一市長は「このような大会は参加者の人生が変わるきっかけになる。泉大津市はロボットの実証実験に力を入れる。いずれ皆さんのアイデアを実証実験する場になるかもしれない」と学生たちに語りかけた。
 12月7日には東京都港区の機械振興会館に各地方大会の最優秀者を集め、全国大会を開催する。大阪大会で最優秀賞に輝いた若山さんも、大阪代表として全国大会に臨む。

(ロボットダイジェスト編集部 斉藤拓哉)

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