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2024.10.10

通期見通しは下方修正、次世代ロボットは成長のエンジンになると確信/安川電機

受注残が高水準だった昨年度と比べ減収減益となった(同社決算短信から引用)

 安川電機は10月4日、2025年2月期の第2四半期(3月~8月)決算を発表した。

 国際会計基準(IFRS)に準拠し、売上高にあたる売上収益は前年同期比9.5%減の2615億7300万円、営業利益は同30.7%減の229億2600万円、税引前利益は同29.3%減の244億2700万円、親会社の所有者に帰属する中間利益は同26.3%減の178億5100万円と、減収減益となった。
 小川昌寛社長は「豊富な受注残に支えられた昨年度と比べて売上高が減少した」と話し、受注額だけで見れば回復しているという。

 モーションコントロール事業は中国・欧州の低迷や、国内の半導体関連需要の回復遅延などが影響し、売上収益は前年同期の1408億円から1194億円へと大きく減少した。
 一方ロボット事業は、同1124億円から1121億円と、微減ではあるもののほぼ同水準を維持した。自動車産業向けでは中国は減少したが、日本や欧米、インドなどで需要が増加。一般産業分野では米国や中国で自動化需要が底堅く推移した。

 通期の業績も、今年4月の予想から下方修正した。売上収益は前年同期比3.9%減の5530億円、営業利益は同3.4%減の640億円、税引前利益は同30.0%増の898億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同26.3%増の640億円と、減収増益の見通しを発表した。
 事業分野ごとの通期見通しも発表し、他分野が減収の見通しとなる中でロボット事業の売上収益は同2.5%増の2405億円と予想した。

昨年12月に発売したMOTOMAN NEXT(昨年12月の国際ロボット展で撮影)

 また直近の取り組みも紹介し、ロボット事業では昨年12月に発売した次世代機「MOTOMAN NEXT(モートマンネクスト)」について「まだまだ販売比率は低いが、『自律性を備える』という開発の方向性が間違っていなかったことは確認できた。今後のロボット事業の成長のエンジンになると確信している」と小川社長は手応えを語った。

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)

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