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2024.10.31

コラム

[エディターズノートvol.8]キラーアプリケーションはこれだ!

協働ロボットは約1割

 協働ロボットが徐々に市場に浸透してきた。
 現場で稼働する台数ベースではまだまだほんのわずかだろうが、国際ロボット連盟(IFR)が今年9月に発表した「World Robotics(ワールドロボティクス) 2024」によると、2023年の世界の産業用ロボット新規設置台数に占める協働ロボットの比率は約10%となった。

国際ロボット連盟「World Robotics 2024」プレスリリース資料から引用

 23年は産業用ロボット全体の新規設置台数が前年比減となったため、協働ロボットも台数ベースでは微減したが、協働ロボットの比率は下がってはいない。
 右のグラフを見ると、17年~20年は協働ロボットの出荷台数がまだ本当に少なかったが、21年に大きく伸び、22年~23年はさらにもう一段上昇した。

マシンテンディングに注目!

IMTS2024の米国ハーコによるマシンテンディングの展示

 協働ロボットのキラーアプリケーション(普及の原動力となる用途)は何だろうか。米国の展示会「IMTS(米国国際製造技術展)2024」でヒアリングしたところ溶接を挙げる企業が複数あったが、日本では工作機械などの加工機に材料(ワーク)を付け外しするマシンテンディングが有力だろう(記事リンク:人手不足に直面! 米国製造業で「自動化は必須」に【前編】/IMTS2024)

 工作機械では生産品目を切り替えるタイミングでワーク固定具(ジグ)などを変更する段取り替え作業が発生する。また切削工具の寿命に合わせてその交換も必要だ。機械の前に立ち、開口部に手を入れて作業をするため、そのエリアを安全柵で隔離する必要がない協働ロボットの方が作業がしやすい。
 また、動作速度は速いに越したことはないものの、常に高速動作が求められるアプリケーションでもないため、協働ロボットのデメリットも問題になりにくい。

まもなくJIMTOF

 世界最先端のマシンテンディングの提案が見られる場はどこだろうか。答えの一つは、間違いなく「JIMTOF(ジムトフ=日本国際工作機械見本市)」だろう。世界4大工作機械見本市の一つに数えられる展示会で、ちょうど来週11月5日から都内の東京ビッグサイトで開かれる。
 出展企業の事前発表を見ると、今回展でもマシンテンディングの協働ロボットシステムが多数展示されることは間違いない。その中で埋もれることを防ぐため、各社差別化のために工夫を凝らす。

  • 前回展(JIMTOF2022)のオークマの展示システム

  • 前回展(JIMTOF2022)のヤマザキマザックの展示システム

  • 前回展(JIMTOF2022)の東洋精機工業の展示システム

 ロボットダイジェストは同展のメディアパートナーであるため、会期中に会場を取材し、会期終了後に展示リポートを公開する。
 それだけでなく、実はロボットダイジェストを運営するニュースダイジェスト社は南ホールS3027に出展もしている。展示のメインは工作機械の専門誌「月刊生産財マーケティング」や「JIMTOFガイドブック(月刊生産財マーケティング別冊)」だが、もしブースを見かけたらお立ち寄りいただければありがたい。

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)



※「エディターズノート」はロボットダイジェストの編集後記として毎月月末に掲載しています。

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