西日本最大規模の物流見本市でAGV・AMRの提案が続々/第6回関西物流展
人手不足で増える自動化提案
差別化に工夫を凝らす各社
自動車部品メーカーのエクセディは、AMR「Neibo(ネイボ)」を展示した。ネイボはけん引タイプの「パワフルロボット」と3段の棚と大型のモニターを備えた「マルチロボット」の2種類あり、会場ではネイボ・パワフルロボットがかご台車をけん引するデモを披露した。走行ルートの作成といった基本動作を設定できる標準ソフトウエアは、プログラミングなどの知識がなくても操作できるノーコードツールなのが特徴。
「上部に積載するタイプのAMRは積載用の棚を新たに設計しないといけないが、けん引タイプであれば既存のかご台車をそのまま使えるためイニシャルコストを抑えられる」と担当者は話す。
AGVメーカーの四恩システム(福岡県久留米市、二田純慈社長)はAGV「CREW(クルー)」「RHINO(ライノ)」の2機種を展示した。
同社のAGVの特徴は独自開発の誘導方式「Floor SLAM(フロアスラム)」にある。AGVに取り付けられたカメラで床面をマッピングし、床面の模様などの特徴を認識する。その情報をもとに自車の位置を判別して目的地までの走行ルートを生成するためガイドテープは必要はない。「油やスパッタなどの飛散で床が汚れても問題なく対応できる」と担当者は話す。
「ASROF(アスロフ)」のブランドでロボットのシステムインテグレーター事業を手掛けるグローリーは、AMR「Model:NMR-150」を参考出品した。同社の独自開発で、日本国内で製造した。
「海外製のAMRは問題が起きたときにサービスを受けるまで時間がかかる場合があるため、国内メーカーにこだわる顧客も多い。既存の拠点を活用し、アフターサービスをすぐに提供する体制を構築する予定。今回展で得られた来場者からの声を製品にフィードバックする」と担当者は言う。
ラピュタロボティクス(東京都江東区、モーハナラージャー・ガジャン最高経営責任者)や岡谷鋼機グループの新エフエイコム(栃木県小山市、大矢英貴社長)など無人フォークリフト(AGF)を展示する企業も見られた。新エフエイコムの大矢社長は、「物流機器業界では市場規模の拡大とともに競合メーカーも増えており、受注環境は厳しくなっている。今回の関西物流展でもAGFの出展が増えたように感じる。どう差別化できるかが鍵になる」と話す。