[国際物流総合展2024 vol.1]全体の統合制御をデジタルで簡単に/ダイフク、IHI物流産業システム、Mujin、伊東電機、YE DIGITAL
多数の初公開システムで盛況
Mujin(ムジン、東京都江東区、滝野一征最高経営責任者<CEO>)は独自の制御プラットフォーム(基盤)を使い、入荷から出荷までをイメージした展示を披露した。個々のアプリケーションでは初披露のものも多かった。
樹脂製コンテナ(通い箱)を混載で積み降ろしできる自動化システムが、特に来場者の注目を集めた。専用のロボットハンドは、通い箱の大きさを認識して把持位置を自動調整する。従来型でも50種類ほどを把持できたが、今回の改良で、一定のサイズであれば、どのような形の通い箱でも取り扱えるようになった。
また、把持が難しいとされる、封筒やシュリンク包装などの搬送を自動化するシステムも披露した。
営業本部マーケティング&コミュニケーション部の吉田菜月PRスペシャリストは「各工程を個別に最適化するだけでなく、全体を連携させ統合制御できる点をアピールしたい」と意気込む。
デジタルツインやデータ解析を訴求
ビジネス向けのデジタル技術を幅広く提供するYE DIGITAL(YEデジタル)は、今年5月に発売した「Analyst-DWC(アナリストDWC)」をアピールした。
倉庫内の自動化機器などを統合して管理する倉庫運用管理システム(WES)などで収集した各種データを解析して分かりやすく表示し、現場責任者の意思決定をサポートする。同社以外のWESなどからもデータを取得できる。
例えば、作業者の働きや設備の稼働状況などが一目で分かる。作業遅延と滞留の早期発見などをでき、最適な人員配置などを提案する。
「一般に、こういった意思決定は属人化しやすい。アナリストDWCを使うことで統一されたデータ基にした判断になり、安定して作業者や設備を有効活用しやすくなる」(担当者)。
(芳賀 崇、西塚将喜、水野敦志)
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